風のことば空のことば 語りかける辞典

長田弘(著者), いせひでこ

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2020/04/24
• JAN: 9784065193983

商品レビュー

2024/12/07

あとがきで、長田弘さんといせひでこさんが4回しか会っていないと知りびっくりした。
絵本の2冊もだけど、2人の空気があまりにも溶け合っていたから。土台が一緒というか、感じ方に共通するものがあるような。
愛しい物たちを描くことで行間に潜り込む、対話のかたち。
数少ないカラーが出てきたときの広がったかんじ。

これが全て選評だというのが信じられないくらい、詩だ。
豊かな優しいまなざしたち。
読むタイミングによって、響くうたが変わりそう。

2024/08/27

読売新聞に掲載されていた「こどもの詩」の選評をもとに構成された詩集。選評自体がもう磨かれた言葉の輝き。

何度も読み返したい長田さんの言葉とその奥にある哲学。
「みがき屋になろう。
みがき屋になって、気持ちをぴかぴかにみがき、じぶんをみがく。
人の最上の仕事だ。」
「いちばん大切なもの。花には、水。ひとには言葉。」
「平等って何だろう。
何ができるかを、じまんしないこと。
何ができないかで、ばかにしないこと。」
「とっぴょうしもないものじゃない。
いちばんありふれていて、いちばん大切なものが、奇跡なんだ。」
「自覚＝字を書く。文字を書くときは、集中して、真剣に書く。
そこから生まれてくるのが、自覚なんだ。」
こんな詩もいい。
「風鈴の音は、不思議な音。
それは、その音の周りに広がる、
音のしない沈黙に気づかせてくれる音。」

自分の声の大きさで
人の声なき声に気づかなくなっていた自分に気づく。
何度も声に出して読み、忘れないよう胸に刻みたい詩集。

2023/09/02

長田さんの詩は、色々なことを考えさせてくれたり、日常にある当たり前を見直すきっかけをくれるから、好き。
何度も読み返したい作品。