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城をひとつ 戦国北条奇略伝 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/04/25 |
JAN | 9784101261737 |
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
北条家に仕えた謎多き軍師大藤家をベースに関東一円を統べた北条家の栄枯盛衰を連作短編の流れで描く作品。大藤家は「入込」と呼ばれる術(敵の内部に侵入しやり込め内部から瓦解させる手法)を武器に城をとっていく。その様はいわゆるスパイものの読み口でく読みやすい。この手のストーリーにありがち...
北条家に仕えた謎多き軍師大藤家をベースに関東一円を統べた北条家の栄枯盛衰を連作短編の流れで描く作品。大藤家は「入込」と呼ばれる術(敵の内部に侵入しやり込め内部から瓦解させる手法)を武器に城をとっていく。その様はいわゆるスパイものの読み口でく読みやすい。この手のストーリーにありがちな誰が化けているか分からない、ということは無いがどのようにして大将を取り込んでいくかで読ませるので面白い。気になった所として相手方がコロッと騙されすぎでは?と感じる場面も。北条家の物語は詳しく知らなかったので中々に楽しかった。
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- ネタバレ
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北条五代を陰から支えた一族の活躍が描かれているが、なんで先まで見通していて、また、どれだけ手札を用意しているのだと感じさせられた。また、常にうまくいくのではなく、壁にぶつかりつつも、当意即妙な対応をとっており、より痛快に感じた。
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簡単に説明すると歴史小説×スパイ小説。 まず書き出しの「城をひとつ、お取りすればよろしいか」の言葉だけで、カッコいいたらありゃしない! 城攻めというのは本来落とされないように厳重に作られ、敵の装備や食料などの準備も万端なところを攻めるわけなので、長期戦になりがち。 そのため攻め...
簡単に説明すると歴史小説×スパイ小説。 まず書き出しの「城をひとつ、お取りすればよろしいか」の言葉だけで、カッコいいたらありゃしない! 城攻めというのは本来落とされないように厳重に作られ、敵の装備や食料などの準備も万端なところを攻めるわけなので、長期戦になりがち。 そのため攻め手にとってもかなりリスクの伴う戦いなのだけど、それをこともなげにこう言い切ってしまう。それだけで先のしびれるものがあるし、先の展開にワクワクしてしまいました。 関東を治めた北条五代。彼らに陰から使えた大藤一族を描く連作短編。時の武将たちの欲や心理のスキを突いた鮮やかな手法と展開の数々! いかに敵を惑わし分断するか、心理戦や頭脳戦に引き込まれます。 それでいて伊東潤さんらしい歴史小説ならではの悲哀も、作品に深みを与えます。どれだけカリスマ性があっても、立派な理念があっても、それが時代の趨勢と合わなければ消えゆくしかない厳しい戦国の時代。 そうした悲哀を描きつつも、一方でその先に広がる新たな人生の広がりも鮮やかに力強く描かれていて、今まで読んできた戦国時代を舞台にした伊東潤さんの作品の中でも少し違った感慨が残る、爽やかな作品でした。
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