よるのくに

福田恒昭(著者)

• 販売会社／発売会社: 思潮社
• 発売年月日: 2020/04/15
• JAN: 9784783736653

商品レビュー

2024/06/08

2024/06/08　目次-p.94

目次
”きろえちゃんへ”
「きえろちゃん」かと思って、ドキッとしてしまいました……。

p.15
”
夕焼けで内臓色に染まったきみの住む町をあるきながら
ここはすでに　きみの中なのでは？
という気がして
”
（中略）
”
メロンパン、とてもおいしかったよ。
きろえちゃんの味がした。
”
（中略）
”おかまいなく、もう合い鍵も準備した。”
わお。サイコパスかつ、ストーカー？　こわいです……。
夕焼けを”内臓色”なんて言う人、初めてです。

p.19
”すごく好きなわけじゃないよ。”
（中略）
”お金持ちだし”
そんな理由で結婚して、あなたは満足なのですか？　そんな結婚生活、虚しくないですか？

p.25
”水面に映る炎がとてもきれいだ。”
ええ、きっと、それはとてもきれいな光景ですね……。水も炎も、眺めていると癒やされます。

p.42
”
死ぬことに決めた当日の朝
すがすがしい朝です。
わけが分からないながらもいい人生でした。
腹八分目といいますから、欲張らずに逝くことにします。
”
こんな気持ちで最期を迎えたいです。最期の日を決められたら、どんなにいいでしょう……。

p.62
”
森のひらけたその場所にだけ　陽が射して
ただよふ水　浮かぶ死体　ゆつくりと回転し

白い肌を　ひかり斑（まだ）らに　うつろふ
”
（中略）
”
一匹の蝶が舞い降りて
死体にとまる
”
美しい光景だと思ってしまいました。しんだばかりの身体なのでしょう。まだ損傷していない。……そうであってほしい、と思いつつ、想像しました。だからこそ、美しいと思えるのですけれど。
死因は何でしょう。

p.63
”一つの蝶の　これは夢なのだ”
「胡蝶の夢」……？