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学び直しの現象学 大学院修了者への聞き取りを通して
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 晃洋書房 |
発売年月日 | 2020/03/20 |
JAN | 9784771033191 |
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学び直しの現象学
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
本書は「現象学」の論理的支柱を持ったうえで、6人の社会人大学院修了者に対して、大学院入学前・在学中・修了後の思いをヒヤリングした研究である。6人の専攻は社会科学の中でも多岐に亘り海外MBAから福祉や教育にまで及ぶ。6章の構成のうち、1章から4章までを研究課題の背景や先行研究の整理...
本書は「現象学」の論理的支柱を持ったうえで、6人の社会人大学院修了者に対して、大学院入学前・在学中・修了後の思いをヒヤリングした研究である。6人の専攻は社会科学の中でも多岐に亘り海外MBAから福祉や教育にまで及ぶ。6章の構成のうち、1章から4章までを研究課題の背景や先行研究の整理、現象学研究自体のレビューに割き、手続き面の説明を長めに取り、注意を払っているようにみえる。方法は質的研究であり、インタビューイの「生きられた経験」(p.33)を描きだすように企図されている。またインタビューア側である著者は、自身が社会人大学院を修了している点をかなり気にしており、それに起因するインタビュー上のバイアスの指摘と回避について言及がある。またインタビュー記録の妥当性を担保するための、インタビューイへの確認等の手続きについても示されスキがないように留意されている。本書の原典に相当する論文の査読時に対応したものかもしれない、と読者側に想起させる点でもある。これの意味で著者自身が苦労した経過が複数個所に記されている。多分論文には書けないが、書籍には示せる点なのだろう。本研究を通じて浮き彫りになった点は主に以下と解した。 ・学び直し後も、実益(雇用形態や社会的立場等の変更)とは違う次元でその意義や利点がもたされている(p.90) ・計画された偶然性を受け止め、内発的動機付けを引き寄せた(p.119) ・社会人大学院という「学びの場」で学ぶことは、楽ではないが楽しい(p.175) ・「いまのノリから別のノリへの引っ越し」(p.182) その上で著者は、「社会人大学院とは、そのような社会人が、日常的な環境の癒着からある程度解放された時空間において、継続的な『学ぶ喜び』や『相互触発』を体験しながら、『発展的過程』を経験できる可能性のある場といえるのではないだろうか。」(p.190)と提起した。 なお最近では現象学を用いた経営学書のもあった(露木ら『職場の現象学』)。方法論として現象学にふれたい方は、本書前半を読むことで概観できるだろう。 大学職員が大学院で学ぶことに関する研究を進める上では、本書を先行研究に含めておいた方がよいかもしれない。
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社会人になってみて、 あぁ、もっと大学で学んでおけばよかったなぁ、 という気持ちになったものですが、 それはどれくらい一般的な現象なんでしょうかね。 社会人が大学院で学び直すという現象とその意味について、 インタビュー調査をもとに明らかにした本書を読んでいて、 あの学びの歓び、というのは、 なんとも形容しがたいものがあるなぁ、と思いました。 今でも、 研究を通して、自由に学んでいるともいえるのですが、 会社を退職してからの大学院生という時期は特別な時間でした。 何を学ぶか、 もそうですが、 誰と学ぶかという環境も重視して、 大学院に進学した自分にとって、 京都の時間の流れと学問の世界の広大さに触れたあの経験は、ゆったりとした深みにただ身を任せるような感覚がありました。 圧倒的に何も知らなかったので、 こんなふうに考えたり、深めたりするのか、 というのも新鮮で、全然違う世界にきたなぁ、というのが嬉しかったんでしょうかね。 やりたいことをやって、 安心して学びに身を委ねられたのは、 学生という立場ゆえのことだったのだろうと思います。 しんどいことも多かったですけどね。 さて、本書では、 現象学的アプローチの説明も多くて、 社会人の学び直しについて、もっと分厚く記述してほしいなぁ、と思うものの、 あの頃の感覚が呼び戻されるという意味では、 筆者が目的にしている「触発力を持つ現象」を提示することは成功していますね。 何がって、あの喜びがリアリティをもって伝わってきますから。 特に修士の2年間の学び直しは、学び方を学ぶという学び直しであって、そんなことを改めて思ったりしました。 学び直すことの楽しさや歓びは、こんなもんじゃないと思いつつも、じゃあ、どこまで言語化できるのかというと、なんかうずうずしますね。 ”もう、学ぶ楽しさに尽きますよね。勉強ってさせられると嫌なものじゃないですか。生まれて初めてほんまにやりたい勉強、自分でやりたいと思ったことをやる楽しさっていうんですかね。至福の二年間ですよね、学ぶ。大変なんですけど、大変ななかでも、本当に楽しい二年間をすごさせてもらったなっていうふうに思います。もう私はお金に換えがたい二年間やったような気がしますね。”(p.113)
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