「知」への英単語 英語ゼミ形式で覚えるはじめての教養英単語

星飛雄馬(著者)

• 販売会社／発売会社: テイエス企画
• 発売年月日: 2020/03/27
• JAN: 9784887842533

商品レビュー

2020/04/07

この本が、よくある英語参考書と違う点は、英語を超えた幅広い知識の上にまとめられたものであるということです。
一般的な英語の参考書は、、受験英語や英検、TOEFL、TOEICといった試験対策本が主流。
試験対策として効率的に覚えられるようにまとめられているものの、（実際に使うシーンはあるのだろうか？）と疑問に思うようなものも多々ありました。

実際、Times誌やNewsweek誌を読むときには、受験英語ではなく社会や経済の専門用語も必要になります。そして、わからない単語が多いと、読む意欲も下がってしまうものです。

著者は翻訳家であるとともに、宗教社会学や社会政策の専門家。
この本は「経済」「政治と法」「社会」「国際関係」「宗教と歴史」「科学と技術」の全６章構成で、マクロ経済政策や反ワクチン運動、LGBTなど、今欧米のニュースに取り上げられるトピックをそのまま反映させているため、実践的に覚えることができます。

また、世界の主要な宗教の解説もあり、日本人が苦手だと言われる政治、経済、宗教の話題の必須英語を網羅しています。
受験英語を離れたあとでは、こういった構成の本の方がおもしろく、興味を持って繰り返し読めるため、結果的に英語が身に付けられるように思えます。

時事英語だけでなく、教養としての英語の底上げもできるようになっており、ネイティブと英語で話をする時の心強い味方になってくれる本。

個人的にうれしいのは、章ごとに詳細な読書案内が紹介されているところ。トピックに興味を持ち、もっと詳しく知りたい際に、適切な関連図書を知ることができます。

SNSが一般的となり、正しい情報と間違った情報が氾濫している現代の世の中。あやまった判断を下さないためには、それらの真偽を見分ける知性と知識が必要です。
著者は英語を学ぶと同時にメディア・リテラシーも身に着けてもらう目的でこの本を執筆したとのこと。
英単語と一緒に教養も身に着けられる、一石二鳥の本です。