灼熱の若王と秘されたオメガ騎士 ラルーナ文庫

桜部さく(著者), 兼守美行

• 販売会社／発売会社: 三交社
• 発売年月日: 2020/03/21
• JAN: 9784815532345

商品レビュー

2023/05/11

設定や文化的背景がしっかりしてて土地の空気が感じられるような情景描写がよかった。展開は大きく動くのに構成に無理がなく作者の筆力よ
主人公はオメガでモブにレイプ番にさせられ子供もうけたというオメガバースの中でもなかなかのハード設定。その辺があまりくどくなくて、けど主人公の苦悩は苦悩として描かれるバランスよかった
主人公と若王のすれ違いも丁寧で、主人公の馬鹿な行動もわりと許せた
すごく最悪なこと言うんだけど、若王が本当に立派な王なので、嫁が中古なのは嫌だなと思ってしまった

2021/07/12

ピッコマにて読了。
タイトルのとおり、情熱的な若き王(α)×Ωであることを隠している子持ちの騎士の、アラブ時代物風BL。

王道系のようでもあり、ちょっと他では見ない(そもそもあまり読まないので比較対象が少ないのですが)番を意図的に切る方法の設定もあり、起承転結の場面転換など思いの外楽しく読めました。
BLやオメガバースである以前に、一冊の構成が上手い・いろいろ詰め込んでいても絶妙なバランスで読ませてくれるような感覚があります。
これはざっくり言えば、若王とシングルマザーな騎士の恋と決着と幸せ家族を得る話になっていますが、ラストのミラの様子なんかを見ると、(がらりとBLらしくはなくなるのかも知れませんが)子どもたちの成長と家族内のお話がまた読んでみたくなります。

2020/08/29

何があってもいいところを見ようとするセナ。傷つけられても相手の言い分を聞こうとしたり、望まない妊娠でも、たった１人の家族を必死で守ろうとしたり...。スゴいとも、そこがセナの良いところだとも思うけれど、自分の気持ちを後回しにしているのは悲しい。そんなセナには、アスランくらい過保護な人がいてくれた方が安心かも。自分から甘えるのが下手なセナをとにかく甘やかして、しかもそれを心から楽しんでいるような人だから。家族みんなで過ごす幸せな生活をもっと見ていたくなる本だった。