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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/03/17 |
JAN | 9784103502920 |
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商品レビュー
4.3
12件のお客様レビュー
今年のベストになりそうな作品。『最後の秘境 東京藝大』が好きだったので読んでみたが、それ以上の内容だった。小説とはいえ、かなりのところ実体験を反映しているのではないかと思わせる(大学名などは全て実在のままだし)。 大学サークルを自分たちで運営していくことの意味を考えさせられた。...
今年のベストになりそうな作品。『最後の秘境 東京藝大』が好きだったので読んでみたが、それ以上の内容だった。小説とはいえ、かなりのところ実体験を反映しているのではないかと思わせる(大学名などは全て実在のままだし)。 大学サークルを自分たちで運営していくことの意味を考えさせられた。一年生はお客さんとして入り、その世界にどっぷりつかりながら、徐々に運営側に回っていく。 このお話の中で一番核になっているのは、「固定」という踊るパートナーの固定の組み合わせを、二つ上の学年の先輩が決めていく仕組みなのだが、女性の割合が多い競技ダンスの世界では、どうしても相手のいない女子が出てきてしまいがちだ。相手がいなければ、ダンスの大会にも出られないわけで、この「固定」をどう決めるのかが、とても重要になる。上級生としては、できるだけみなに納得して欲しいと思って必死で考えて決定するわけだけれど、下級生の側では誰かがどうしても不満に感じてしまうことになる。 この小説は、新入部員の主人公ワンタローがこの競技ダンス部で徐々に成長する姿と、卒業から10年ほど経て作家になった彼が、この小説を書くために当時のことを振り返って、関係者にインタビューをして回る、という内容が交互に並べられて構成されている。 はじめから、この部活が最終的にとっても苦しい内容になったことが書かれているので、どのあたりが苦しかったのだろうということを想像しながら読むことになる。一年生のうちはとても充実して楽しそうなので、これがどうしてそうなってしまうのかなあと考えさせられる。 だけれど、振り返りの作業が終わった時、ワンタローにとってそのつらかった日々の意味も大きく変わっていて、読後感はとても熱い。まだ受け身だった一、二年生の日々に関するどんでん返しもあって、「ああそういうことだったのかあ」という納得感もある。 最高の体験だった。でも二宮さん、他の作品の多くはホラーみたいなんだよなあ。次何読もう。
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大学で競技ダンス部に入った主人公の話。 競技ダンス部という未知の世界を主人公と共に追体験できる。 入りたてのダンスの世界に夢中になり、実は体育会系なノリにドン引きしつつ、ダンスに取り組む姿に熱くなる。大学の部活の楽しさと狂気が垣間見える作品。 後輩達のパートナーを先輩が決め...
大学で競技ダンス部に入った主人公の話。 競技ダンス部という未知の世界を主人公と共に追体験できる。 入りたてのダンスの世界に夢中になり、実は体育会系なノリにドン引きしつつ、ダンスに取り組む姿に熱くなる。大学の部活の楽しさと狂気が垣間見える作品。 後輩達のパートナーを先輩が決める「固定」文化を始めとした、様々な伝統が悲劇を呼ぶ。 正直狂ってるとしか思えないし、実際こういう体育会系の伝統ってカルト集団や軍隊の洗脳手段に近いものがあると思う。でも、そういった大学競技ダンス部の苦い部分に特に焦点を当ててるからこそ、この本は面白い。 また色鮮やかで可愛らしい表紙が良い。ここしばらくはKindlePWで読むことが多かったから、折角買っても白黒の表紙しか見ないことが多かったんだけど、久しぶりに紙の本で読んで表紙デザインの美しさとか、本の実物感みたいなのを堪能できた。
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勉強ばかりして、やっと入った学校の入学式でめちゃくちゃ勧誘されて、いい気持ちになって、酒飲まされて、褒められまくって、体験させられ、褒められまくって、突然厳しくされて、突き放されて、でも、優しくされて、プチ達成感みたいの感じさせられて、って行ったことないけど、自己啓発セミナーっ...
勉強ばかりして、やっと入った学校の入学式でめちゃくちゃ勧誘されて、いい気持ちになって、酒飲まされて、褒められまくって、体験させられ、褒められまくって、突然厳しくされて、突き放されて、でも、優しくされて、プチ達成感みたいの感じさせられて、って行ったことないけど、自己啓発セミナーってこんな感じかな? 巻末の作者紹介が、ALL 一橋大学体育会競技ダンス部卒になっていましたが、自分も授業は寝てばかりで、人生に必要なことは全て部活で教わったばりに思っていました。 アイデンティティが部活と一体化してしまい、試合に勝てたら死んでもいいわくらいに、のめり込む始末。ホントに卒業という区切りが合って良かった。 そんな気持ちを代弁してくれる良作です。
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