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神域(上)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 毎日新聞出版 |
発売年月日 | 2020/02/29 |
JAN | 9784620108476 |
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神域(上)
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商品レビュー
3.9
12件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
真山仁さんの小説は教科書のような存在です。 アルツハイマーの新薬研究員について、スポンサー・政府・官僚・研究員たちの思惑や情熱の交錯が描かれています。 日本の治験に対するハードルが高いが故に、優秀で志しある研究員が非合法に治験を行ってしまう。 真山仁さんの作品は、いかに日本が米国の搾取を受けているか、そしてその隙を作ってしまうのは日本の行政機関や業界だということを思い知らされ、勉強になります。
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アルツハイマーの治療薬の開発がテーマ。 人が人の細胞を開発する神域に踏み込む研究者、と痴呆症の老人が不可解な死を遂げる(事件)に挑む刑事が主人公。 前半は読み終わって改めて表紙を見ると寒気が走りました。そしてエンディングが予想できない終わり方でした。
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「こんなわたしはいやだ」と、物語は、衝撃的な場面から始まる。 認知症の発症による、自殺者数は多くないという。特に、初期および軽度の状態で、将来の不安で鬱になって自殺する場合がほとんどらしい。重度になれば、自殺する判断にも支障があり実行に到らないという。 もし、尊厳を守るとしたら、初期の自覚のあるうちに実行しなければ、自殺(自死による尊厳死)すらままならないかもしれない。 脳細胞を再生させる新薬。一時的に発症前の状態に脳を戻せる。有効期限は数年、その後は死を迎える。この新薬が開発されたら、藁に縋らない患者がいるでしょうか? たとえ、実験台としても、たとえ僅かな延命に過ぎないとしても。 ただし、選択の自由は、患者自身しかない(まだ判断できるほど早期)。親の、パートナーの、若年性の患者に家族が薬を投与する選択肢はない。きっと、耐えられないに違いない。機会があるとしたら、介護が限界に到った時だけかもしれない。一瞬の回復と安楽死をセットに。いずれにしても、残酷な薬(選択)です。 脳細胞の再生は、神の領域を犯すかもしれないと、説く。しかし、医療を考えたとき、神の領域はどこにあるのか難しいと言わざるを得ない。ワクチンはOKか、輸血はOKか、義手義足はOKか、臓器移植はOKか、人工臓器はOKか、再生医療はOKか。 手段はあっていいのではないでしょうか。利用する個人が是非を判断すれば。
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