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草 日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ころから/トランスビュー |
発売年月日 | 2020/02/14 |
JAN | 9784907239459 |
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草
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商品レビュー
4.4
5件のお客様レビュー
学習マンガリストから。海外の漫画作品は、どうしても日本のものと比べてしまい、どうしても彼我の差を感じてしまう。そんな中、本作は味わい深かった方。当事者が語る事実な訳だから真摯に向き合う必要があるし、遍く知られるために、漫画媒体は打ってつけとも言える。多くの国で翻訳されているのもむ...
学習マンガリストから。海外の漫画作品は、どうしても日本のものと比べてしまい、どうしても彼我の差を感じてしまう。そんな中、本作は味わい深かった方。当事者が語る事実な訳だから真摯に向き合う必要があるし、遍く知られるために、漫画媒体は打ってつけとも言える。多くの国で翻訳されているのもむべなるかなだし、こと日本で翻訳されたのはファインプレー。
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日本軍「慰安婦」とされた女性たちの体験については、すでにドキュメンタリー映画や証言集など、多くの表現物がつくられてきた。グラフィックノベルという形式で何か新しいものが生み出せるのだろうか。 そんな疑いは、この450ページ超にわたって展開される力強い絵の前に吹き飛んでしまう。けれど...
日本軍「慰安婦」とされた女性たちの体験については、すでにドキュメンタリー映画や証言集など、多くの表現物がつくられてきた。グラフィックノベルという形式で何か新しいものが生み出せるのだろうか。 そんな疑いは、この450ページ超にわたって展開される力強い絵の前に吹き飛んでしまう。けれども、描き手が語り手イ・オクソンの体験に接近するやり方は、ぐいぐいと肉薄するというよりも、やわらかで慎重だ。 植民地支配と戦争、家父長制の下で、まさに筆舌に尽くしがたい苦しみを生き抜き、「母さんのお腹から出てきて以来いいことはひとつもなかった」という老女の体験に、外部の者はどのように接近しうるのか。語れないことをどのように聞いたらよいのか。そのひとつの答えを、この表現は示している。 目の前にいるイ・オクソンというひとりの女性の顔は、ときに抱きしめたいほど愛おしく、ときには触れることのできない黒い影を宿して接近を拒む。その内側にある、すべてを語ることのできない経験を手探りしながら書きとめようとする筆もまた、ときには風のように軽やかで、ときには重油のような粘る重さだ。 何度も、思わず息を止めるような表現に出会った。とりわけ印象深く刻まれるのは、少女の前に広がる広大な星空、草原、山々、木々だ。その自然は、小さな人間を絶望させる巨大な力でもあり、その中でもがく小さな存在を抱きとめてくれるものでもある。厳しい冬の時間をそれでも貫いて生きた一本の草のような人生がここにある。
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映画 標的 を見て、ジャーナリスト、元朝日新聞記者・植村隆氏の話を聞いて本書を知った。 日本で、日本語で刊行されたことを感謝する。 苦難の人生、生涯に一つも良いことなどなかったと語るイオクソン氏。 戸惑いながら丁寧に聞き取り、疑問も共感もありのままに伝える作者のキムジェンドリグ...
映画 標的 を見て、ジャーナリスト、元朝日新聞記者・植村隆氏の話を聞いて本書を知った。 日本で、日本語で刊行されたことを感謝する。 苦難の人生、生涯に一つも良いことなどなかったと語るイオクソン氏。 戸惑いながら丁寧に聞き取り、疑問も共感もありのままに伝える作者のキムジェンドリグムスク氏の真摯さ。 イオクソン氏の不幸を超絶した生涯や、今や修正主義者により揉み消されようとしている事実、史実、人道上の犯罪といえることを伝えるのみならずふたりの心の行き交いがこの素晴らしい作品の素晴らしいところ。 控えめなようで非常に意欲的に、挑戦的に、このテーマに、イオクソン氏はじめこのような苦い人生背負わされた人々、女性たちに、そのことを知ろうとする私たちに語りかけ見せつけ心に刻みつける力を感じる。 手の描写、顔の、皺の、陰影のひとつひとつをあらわす黒い線、多くを語りすぎる真っ黒に塗りつぶされたコマ。 2人で交わされる言葉、イオクソン氏がユーモアを持って笑い声を出すところ、回りの笑いを誘うところがあり、生命力、この人が偉大にも生き延び証言し家族との生活を未だ追い求めながら暮らしているこの人間性に驚嘆と共感を覚える。そして2017年近いこのときにもまだ上海にも延吉にも当時のおぞましい建物が残存しているとは。 たくさんの人に読まれて欲しい。 学校の図書館には配備されているのかな。 この作者の他の作品も読んでみたい。
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