- 中古
- 書籍
- 書籍
草地は緑に輝いて
定価 ¥2,750
¥2,475 定価より275円(9%)おトク
獲得ポイント22P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文遊社 |
発売年月日 | 2020/01/30 |
JAN | 9784892571299 |
- 書籍
- 書籍
草地は緑に輝いて
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
草地は緑に輝いて
¥2,475
在庫なし
商品レビュー
3.9
9件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どことなく寂しげな雰囲気のある美しい文章だと感じた。比喩で表された豊かな創造力が押し寄せてくる。 好みだったのは『受胎告知』。完璧なおばあさまと可哀想なメアリ。嫌な気持ちになるしメアリに同情するけれど、これまで何があったのか、これから何があるのか想像を掻き立てられる話だった。 『幸福という名前』も良かった。心惹かれる美しい夢から始まり、ミス・レティの現実を見せつけられる流れがホラーめいていた。 『或る終わり』もシンプルで好みだったな。 どの話も"その後"を想像してみたくなるのが共通していた。それだけしっかりと一つの世界が完成されているのだと思う。内容は無慈悲で絶望的で閉塞的なのに、そういう意味では無限の広がりを感じるのだった。本を閉じた後にも頭の中でこの世界が広がり続けている。
Posted by
アサイラム•ピースや氷などの代表作を一通り読み終えた流れでこちらの短編を読んだ。 アンナ•カヴァンの小説は実験的な側面も強く、分かりにくいといえば分かりにくいのだが、嫌になって投げ出すこともなく、最後まで読むことができる。なぜかと言えば奇怪なイメージを絵画を描くかのように描写的に...
アサイラム•ピースや氷などの代表作を一通り読み終えた流れでこちらの短編を読んだ。 アンナ•カヴァンの小説は実験的な側面も強く、分かりにくいといえば分かりにくいのだが、嫌になって投げ出すこともなく、最後まで読むことができる。なぜかと言えば奇怪なイメージを絵画を描くかのように描写的に小説の中で表現しているからではないかと思った。そして登場人物達は大抵の場合、不安神経症のような状態に陥っており、自分としては何だかそんな不安定な登場人物達に共感を抱いてしまい、執拗に描かれる心理描写はどこか他人事とは思えないのである。それとユーモア感覚もあると思う、カフカのような雰囲気でちょっと分かりにくい感じではあるのだが。 アンナ•カヴァン自身はヘロイン中毒という点を小説に結びつけて、センセーショナルに語られたくなかった(?)らしいのだが、自分としては作者のライフスタイルはどうしても小説に滲み出てしまうのではないか?とも考えてしまう…。安易な考えではあるが、突然突き刺すような不安に襲われるような描写はどこかしら薬物影響下の不安症状のようにも思えるし、天上に迎えられるような感動的な描写があった後、天の裂け目から不安の手が迫るような展開もその感覚の濃厚さにおいて薬物によって圧縮された時間のようなものを感じさせるところではある。とは言っても、それは自分の考え過ぎとも言えることだ…。結局のところ、健全な人間であっても心の皮を一枚破って仕舞えば濃密な感覚が充満する場所が広がっているのだ。この短編集では、そんな自分の中に眠る濃密な場所を大いに刺激された気がする。この本を読んで、筆者は心の深いレベルにあるイメージを凄まじい描写力でもって文章化できる稀有な作家なことには間違いなく、そして言葉の選び方や風景の切り取り方などとても現代的な感覚であり、素晴らし過ぎると改めて感じ入ってしまった。
Posted by
異常な作家アンナ・カヴァン。真冬に風邪の高熱下で読んだ「氷」が異様な迫力をもって印象深かった。短編集であるこの本も、色彩感覚にあふれて明るい雰囲気の作品も不安、不審、絶望、孤立といったネガティブな感情に覆い尽くされます。だから面白いということはないのです。 このような作品に共感...
異常な作家アンナ・カヴァン。真冬に風邪の高熱下で読んだ「氷」が異様な迫力をもって印象深かった。短編集であるこの本も、色彩感覚にあふれて明るい雰囲気の作品も不安、不審、絶望、孤立といったネガティブな感情に覆い尽くされます。だから面白いということはないのです。 このような作品に共感できる感情状態ということは自分もかなり追い込まれているということがわかるPCR検査的な位置付けの作家です。今は、これは異常だなと感じることができるので私は病気ではないということかな。病的異常さが気になっていつまでも印象に残る危険な作家だと思いす。
Posted by