千剣の魔術師と呼ばれた剣士(2) ビッグガンガンC

黒須恵麻(著者), 高光晶, Gilse

• 販売会社／発売会社: スクウェア・エニックス
• 発売年月日: 2020/01/11
• JAN: 9784757564718

商品レビュー

2020/11/11

主人公のアルディスと相棒のネーレの強さは作中において群を抜いているね
通常、ここまで強ければもっと好き勝手してもいいだろうにアルディスが考えているのはあくまでも安定や調和なんだよね。
だから魔法を使う際も詠唱なんて必要ないのにわざわざ詠唱を介して目をつけられないようにしているし、恐ろしい強さを持つグラインダーを逃せば更に被害が出ると判っていても領軍に捕まれば振り切る事をしない

そういった意味では双子というだけで忌み嫌われるリアナとフィリアを保護しながらも拠点であるトリアを出ることを最後まで躊躇っていたのは自分から過度に状況を変えるという事を嫌っていたからなのかも
ただ、安定や調和を重んじるからこそ、保護する双子に危険が迫るような状況なら、調和よりも双子の安全を優先するという決断ができるのは好印象かも

この巻にて敵となるデッケンは中々の強敵として登場するね
強大な力を持つアルディスとネーレを下手に弱くするような展開にすること無く、二人の力に対してメタとなる能力の剣を持たせることで簡単には倒せない敵として立ちはだかっている
そんな人物が相手だから単純に力で上回るという展開にせず、仲間や幼い双子を思い遣る優しさに拠ってデッケンが敗北するという展開は良いね

それにしてもアルディスは女神を非常に嫌っているようだけど、その理由は次巻辺りで明かされるのだろうか？