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地球に降り立つ 新気候体制を生き抜くための政治
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新評論 |
発売年月日 | 2019/12/20 |
JAN | 9784794811325 |
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地球に降り立つ
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科学人類学者による人新世における環境問題をめぐる政治・社会的な対立の分析、かな? 地球温暖化については、もうかなり長いこと国際的に議論がなされているのだが、にもかかわらずあまり進展があるように見えない。そればかりか、この後に及んでも科学的な論争が続いている、かのように見える。こ...
科学人類学者による人新世における環境問題をめぐる政治・社会的な対立の分析、かな? 地球温暖化については、もうかなり長いこと国際的に議論がなされているのだが、にもかかわらずあまり進展があるように見えない。そればかりか、この後に及んでも科学的な論争が続いている、かのように見える。これはなぜか? そこにはこの問題をめぐる国益というか、さまざまな権利や負担をめぐる対立があるわけだが、著者は、その背景にある思想的、イデオロギー的な対立の構造を図表化して、説明する。 もちろん、こうした議論は単純化を避けられないのだが、それでも論点を浮かび上がらせるのには、十分な議論ではないかと思った。 著者は、いわゆるアクター・ネットワークという考えの提唱者の一人で、私はそれについては興味を持ちつつ、まだよく分かっていないわけだが、そういう観点で、著者の提示する図表は面白い気がしている。 つまり、アクターは人間だけでなく、自然とか、いろいろなものがアクターとして「行為」し、相互に影響し合っているものとして考えるものらしい。そうすると、これまでのメインのアクターは人間だったわけだが、これから地球なのか、自然なのか、ガイアなのかが人間の行為を規定するメインのアクターになるということになる。 こういう認識論をもとに、議論をしていくことが、大事なんだなと思った。 日本語タイトルの「地球に降り立つ」というやや奇妙なものだが、本書では、グローバルとローカルの対立があるという前提で、"territorial"(=領地)といった概念が提示されている。つまり、タイトルのニュアンスは、温暖化によって機構が変動するだけでなく政治的、社会的な大変化を迎えるにあたって、「あなたはどの領地を選択して、どの大地にしっかりと足をつけますか?」と言った感じ。 地球とか自然のためとか、世界の人々のため、という理想では、政治はこれまで動いてこなかったわけで、いわゆる右派・左派の人が理解可能な概念として、領地というものが現れてきたわけだ。 もちろん、どこの土地が温暖化の被害を受けにくいかというだけのものではなく、政治的、文化的な立ち位置として、どうした伝統、歴史と今後の思想的な可能性を踏まえつつ、どこに降り立つか、という議論。 最後にヨーロッパのエリート階級である著者自身の選択として、ヨーロッパを選択するということが述べられている。それはいわゆるヨーロッパ中心的なものから遠い立場でありつつ、過去の帝国主義的な歴史を踏まえての反省を踏まえた選択でもある。 さて、私はどこに降り立つのか?
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日本のメディアでは報道されない、気候変動が我々の生活にいかに致命的な影響を与えるかについて書かれている。島国であることも相まってか、気候変動によって国を失い世界中を彷徨う移民について日本人は殆ど関心がないだろう。トランプ元大統領がなぜメキシコとの国境に拘るのか、なぜBREXITが...
日本のメディアでは報道されない、気候変動が我々の生活にいかに致命的な影響を与えるかについて書かれている。島国であることも相まってか、気候変動によって国を失い世界中を彷徨う移民について日本人は殆ど関心がないだろう。トランプ元大統領がなぜメキシコとの国境に拘るのか、なぜBREXITが起きたのか、それらの政治的な問題は気候変動に関わっている。人間vs自然という近代的な思考体系のままでは、科学的技術的な「進歩」こそが正義であるとする進歩主義のままでは、あるいは、ピークオイルや気候変動・エネルギーの(相対的)枯渇から目を背け続けていては、30年後の未来でさえまともな生活をおくれなくなっているかもしれない。
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俺ら下層民がうち棄てられたのは、サッチャーやレーガンの頃からで。そろそろ最終局面を迎えている。あと30〜40年後には人類にとって一つの答えが出ると思う。その前兆を告げる大事件は10年以内かもしれない。
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