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岐山の蝶 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2019/12/19 |
JAN | 9784087440638 |
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
「美濃の蝮」の異名で恐れられた斎藤道三の娘・帰蝶に、尾張の織田信秀の嫡男・信長との縁談が持ち上がった。 信秀が、国内の戦いに専念する為、道三との和睦を計画し、その証としての縁談であった。 帰蝶は、従兄の明智光秀十兵衛を憎からず思っていたが、親が選んだ相手との結婚を決めた。 そ...
「美濃の蝮」の異名で恐れられた斎藤道三の娘・帰蝶に、尾張の織田信秀の嫡男・信長との縁談が持ち上がった。 信秀が、国内の戦いに専念する為、道三との和睦を計画し、その証としての縁談であった。 帰蝶は、従兄の明智光秀十兵衛を憎からず思っていたが、親が選んだ相手との結婚を決めた。 そのころ信長は、水練の川べりで、きよと言う美しい女と出会った。 信長は、婚礼の日、帰蝶ときよが似ていることに気付く。 帰蝶ときよの関係 信長と帰蝶 信長ときよ 帰蝶と光秀 光秀ときよ 四つ巴の関係は、目新しく面白かった。
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読みやすくムダがない文章なのに背景まで脳裏に浮かぶし、帰蝶の聡明さも伝わる。 この帰蝶は姉がいて京で商いをしている設定で侍女のはからいで商いを学び自分で切り盛りする。血が繋がっている事を知らずに2人は出会うが史実がないならではの空想が広がっていくが全然おかしくない設定なのですんな...
読みやすくムダがない文章なのに背景まで脳裏に浮かぶし、帰蝶の聡明さも伝わる。 この帰蝶は姉がいて京で商いをしている設定で侍女のはからいで商いを学び自分で切り盛りする。血が繋がっている事を知らずに2人は出会うが史実がないならではの空想が広がっていくが全然おかしくない設定なのですんなり受け入れる事ができた
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斎藤道三の娘にして、織田信長の正室「濃姫(のうひめ)」こと、帰蝶さまの物語。 昨年の大河ドラマで何かと話題な帰蝶さまだが、この本の発行は2019年12月25日、「麒麟が来る」の放送開始直前というまことにタイムリーなものだった。 また、帰蝶さまに会える本。 武将の国盗り物語ではな...
斎藤道三の娘にして、織田信長の正室「濃姫(のうひめ)」こと、帰蝶さまの物語。 昨年の大河ドラマで何かと話題な帰蝶さまだが、この本の発行は2019年12月25日、「麒麟が来る」の放送開始直前というまことにタイムリーなものだった。 また、帰蝶さまに会える本。 武将の国盗り物語ではないので、戦乱に関しては、あった事、流れのみが語られる。 主なエピソードが記憶にあればOK、「麒麟」を観ていれば予習として更に分かりやすくなる。 本題は、戦国時代に生を受けた一人の女の生き方。 帰蝶に関しては、明智光秀と同様に資料は少なく、いか様に描くも作者次第なところがある。 この作品には意外なオリジナルキャラが用意されていて、見届け役を務める。 帰蝶は、大河ドラマ「麒麟が来る」と同じように、従兄弟である明智光秀に心を寄せている。 信長に嫁ぐことになり、戦国の女としての自分の運命に疑問を抱く。 この時代、女は政治の道具として、同盟の証に政略結婚させられることが多かった。 正妻である母や、父の側室である深芳野を見て、自分は、男の道具ではなく帰蝶としての人生を歩みたいと思う。 「〇〇ちゃんのママと呼ばれたくない」という、現代の女性にも理解されやすい、帰蝶の思い。 自分探しの旅の果てに行き着く先は、夫や、側室の産んだ子供達のために生きる、それも自分の生き方、という考えだった。 現代的に、また一般的に言い換えれば、他人に「あなたは夫や子供のためだけに自分の時間を使っている。あなたらしい人生って何なの?」みたいなことを言われたとしても、その生き方を本人の意思で選んでいたのならば、それは自分らしい人生。「これが私」と胸を張っていいのである。 そこから、帰蝶が、自分も夫をよく見ていなかったのではないかと思い、やり直すくだりも、不自然ではない。 作品の数だけ、「本能寺の変」の解釈は存在する。 ああ、この世界ではこういう運命であったか、とただ納得して感慨するばかりだ。
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