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モノのはじまりを知る事典 生活用品と暮らしの歴史
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モノのはじまりを知る事典 生活用品と暮らしの歴史

木村茂光(著者), 安田常雄(著者), 白川部達夫(著者), 宮瀧交二(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 吉川弘文館
発売年月日 2019/12/12
JAN 9784642083683

モノのはじまりを知る事典

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2024/05/03

木村茂光・安田常雄・白川部達夫・宮瀧交二著『モノのはじまりを知る事典 : 生活用品と暮らしの歴史』(吉川弘文館) 2019.12.20発行 2020.3.12読了  「着る・身につける」「食べる・飲む」「調理する・食事をする」「住まう」「暮らしの中で使う」「座る・寝る」「書く」...

木村茂光・安田常雄・白川部達夫・宮瀧交二著『モノのはじまりを知る事典 : 生活用品と暮らしの歴史』(吉川弘文館) 2019.12.20発行 2020.3.12読了  「着る・身につける」「食べる・飲む」「調理する・食事をする」「住まう」「暮らしの中で使う」「座る・寝る」「書く」「売る・買う」「人とつながる」「遊ぶ・楽しむ」という10の章立てで構成されており、それぞれ章ごとに具体的なモノの名前の由来や来歴、意味を記述している。「通信販売」など必ずしもモノではない項目も取り上げられている。あるモノの登場や変化に伴って、社会や世相がどのように変わってきたかにも触れられていて面白い。「はじめに」にも書かれていることだが、変化のスピードが著しい今日だからこそ、改めて身近なモノの由来や変化の過程を問い直すことで、今を生きる私たちの現在地を知る手がかりになるのではないだろうか。  例えば、今、新型コロナウイルス感染症が流行しているが、「トイレットペーパーは中国産」という流言が飛び交い、トイレットペーパーの買い占めが横行している。お尻はトイレットペーパーで拭くものと私たちは教え育てられたわけでだが、昔はいわゆる落とし紙でお尻を拭いていたし、戦時中は新聞紙などを再利用していた。もっと時代を遡れば、ワラや木の板でお尻を拭いていた。あるモノの誕生によって、廃れて人々の記憶から抹殺されたモノがあり、そのモノの用途や来歴が失われることによって、かえって人々に固定観念を植え付ける結果をもたらす良い例ではないだろうか。こういうことを考え出すと、果たしてモノの進化は人類の進歩と言えるのか疑いたくなる。例えば、本書で取り上げられている「余暇」という言葉。余暇とは、工業化社会の進展のなかで、労働者の労働時間が管理・圧迫され、ストレスが蓄積するため、労働者の健康を維持し、生産性を向上させるために普及し出した言葉で、その背景には、資本による労働者管理の文脈が強く働いている。今や「余暇」という言葉は、外来語のleisureの訳語に充てられているが、leisureは消費の拡大という積極的なイメージを持っており、「余暇」がleisureの訳語になったことで、「余暇」は余暇活動として、仕事以外の何かに従事する概念となってしまった。そこには、何かを消費したり、生産したりする行為を余暇と捉える暗黙の了解が潜在している。私は「余暇」という言葉の変化に、資本主義の姑息なにおいを感じる。レジャー施設とは、まさに資本主義の牙城なのだ。便利で豊かな生活のために、底なしにモノの消費を強制されているのだとしたら、それを人類の進歩と言い切っていいのか甚だ疑問だ。人間は冷蔵庫くらいまでに納まっておくべきだったのではないだろうか。『寂しい生活』を著した稲垣えみ子氏なら、冷蔵庫も捨てろと言うかもしれないが、現在起きている問題のほとんどは資本主義の矛盾に根差しているようでならない。  話が逸れてしまったが、もう一つ本書を読んで思ったのが、今目の前にあるモノのほとんどが純日本製ではないということだ。カツ丼も元を辿れば、西欧料理が出発点だし、家電は全て外国由来だ。鉛筆ですら海外の輸入品だし、紙だって今日使われているものは洋紙だ。我々日本人は、古くから海外のモノを自国に取り入れて、それを日本流にアレンジしながら今日まで暮らしてきた。その柔軟な思考は目をみはるものがある。異物をうまく吸収し、自国の文化にしてしまうその能力は、他国ではなかなか見られないのではないだろうか。共存ではなく、共生が日本の特色と言えるだろう。その素地があるからこそ、外来品もうまく日本の文化と融合することができたし、ひいては人口減少社会に突入する今日、外国人すらうまく日本の文化に溶け込むことができるのではないだろうか。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I030111138

Posted by ブクログ

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