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アメリカーナ(下) 河出文庫
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アメリカーナ(下) 河出文庫

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著者), くぼたのぞみ(訳者)

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アメリカーナ(下) 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2019/12/06
JAN 9784309467047

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商品レビュー

4.4

7件のお客様レビュー

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2024/04/16

たまーに出会う、”泣きながら一気に読みました”の類の小説。上巻は1週間と10時間のフライトでコツコツ読んだが、下巻は10時間のフライトで読み終わった。熱にうなされるように。行ったこともないラゴスの太陽や、アメリカ白人のパーティーの様子が、次々と現れては消えていった。 小説家によ...

たまーに出会う、”泣きながら一気に読みました”の類の小説。上巻は1週間と10時間のフライトでコツコツ読んだが、下巻は10時間のフライトで読み終わった。熱にうなされるように。行ったこともないラゴスの太陽や、アメリカ白人のパーティーの様子が、次々と現れては消えていった。 小説家によって短編と長編の得意分野があるとすれば、チママンダ・ンゴズィー・アディーチェ氏は間違いなく長編の方がその魅力を出せるんだと思う。 『なにかが首の周りに』を翻訳文学試食会で教えてもらい、読んでみた時は、おそらく字数的に、「アメリカ人のアフリカ人に対する典型的な見方」に触れたアフリカ人というテーマに絞らざるを得ず、面白いのは面白いんやけど、短編集でそればかりがずらっと並ぶと、すこしばかり食傷気味な気分になってしまった。 アメリカーナでも、恋愛小説ではあるが、米国の人種問題に真正面からぶつかっていて、『なにかが首の周りに』と同じぐらいの(いや、それ以上の)、アメリカ白人に刷り込まれた黒人に対する差別意識が描写されており、また、アフリカ生まれの黒人人とアメリカ生まれの黒人といったような、「黒人」と周りからはひとくくりにされてしまうような集団ごとの意識の違いも描かれている。 この物語は、ナイジェリアで朝のテレビ小説があったらきっと題材にされるようなストーリーである。人種、女性、恋愛、親子、夫婦、親戚、ありとあらゆる人間と人間の関係が描かれ、それぞれの心情描写がとても細かく、登場人物のどれ一人をとっても、リアリティーさに欠ける人がいない。 私は以前開発の仕事に携わっていたが、常々、「開発される側」がどう思っているのか、ということには意識していたつもりだが、実際には、イフェメルの独り言のように考えられていたのかもしれない。 くぼたのぞみ氏の安定的な翻訳も健在で、今度は『パープル・ハイビスカス』を読んでみようと思う。

Posted by ブクログ

2024/04/12

ナイジェリアに住んでいるイフェメルとオビンゼの夢は、英米に留学すること。そんな二人は高校生時代からの恋人同士だが、イフェメルだけがアメリカに留学することになると二人の中にも溝ができて…。イフェメルはアメリカに留学してからというもの日々カルチャーショックに見舞われていく。その最大と...

ナイジェリアに住んでいるイフェメルとオビンゼの夢は、英米に留学すること。そんな二人は高校生時代からの恋人同士だが、イフェメルだけがアメリカに留学することになると二人の中にも溝ができて…。イフェメルはアメリカに留学してからというもの日々カルチャーショックに見舞われていく。その最大とも言えるのが、人種のるつぼとも言えるアメリカで自分が「黒人」であるということを発見していくことだった。やがてイフェメルは「非アメリカ系」黒人として、自分の思いをブログに綴っていく。オビンゼとの関係も断絶し、恋人もでき、順風満帆に見えた時、イフェメルは突然恋人を捨てナイジェリアに帰る決意をする。昔の恋人オビンゼに会うために…。 本作は全米批評家協会賞を受賞したアディーチェ作の恋愛小説。ただ、これを恋愛だけで終わらせないのが、アメリカの内部に潜む人種問題に鋭く切り込んだ一冊であるからだろう。 恋愛小説として読んでも勿論面白いし、現代アメリカの文化批判として読んでも面白い。良作だった。

Posted by ブクログ

2021/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

愛の物語であるとともに、 主人公の成長、 すなわちアイデンティティの確立が語られる物語。 なぜ二人は外国に行かなければならなかったのか。 純粋に愛し合い、魂も美しいというのに。 それは、国内にいたままでは 自分で立つことができるほどの力はなく、 やがてナイジェリアに飲み込まれてしまうことになっただろうから。 それぞれが異文化の中で生きることで、 外国の醜さを感じつつも、 アメリカやイギリスという「個人」で生きることに触れて、彼らの魂も「自分自身」を形作っていくのだ。 やがて彼らは母国へと帰ることになるのだが、 それは敗北や逃避、あるいはただの郷愁ではない。 なぜなら帰国しても違和感を覚え続けたから。 それはアイデンティティが確立したからこそ、 もうナイジェリアという母性に飲み込まれることなく、 ひとりの人格として生きることになったからだろう。 美しい愛に、深みまで持たせた見事な物語。

Posted by ブクログ