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ザ・ループ TALES FROM THE LOOP
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | グラフィック社 |
発売年月日 | 2019/11/11 |
JAN | 9784766132274 |
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ザ・ループ
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商品レビュー
4.3
5件のお客様レビュー
あり得たかもしれない過去のようなSF的な絵と文。ドラマにもなっているらしい。不思議な機械、ロボット、乗り物。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
60年代から90年代にかけて、スウェーデンのある地方で「ループ」という巨大プロジェクトが稼動していた。 それは巨大な円形粒子加速装置と研究機関だ。 親たちはそこで働き、ぼくたち子どもは機械や不思議な生き物が田舎の風景の中をうごめくなかで走り回っていた。 〇もうひとつの世界の思い出。 うっかり、そういやこの時代こんな感じだったよね~と記憶がよみがえりそうな。 〇圧倒的な世界観と画力。 〇巨大なモニュメントや奇妙な機械たち、どことなくメタリックな恐竜が、60年代から90年代の風景の中にとけこんでいる。 〇スケッチが駿ぽくて好き 〇会社のパンフもありそうで面白い
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「エレクトリック・ステイト」を手に取ってから二年余り、遅まきながらシモン・ストーレンハーグのデビュー作「ザ・ループ」を入手する。この作品に触発されて制作されたという連作のドラマを観たことを切っ掛けに。 日本で先行出版された「エレクトリック・ステイト」の世界では「1997年春 モ...
「エレクトリック・ステイト」を手に取ってから二年余り、遅まきながらシモン・ストーレンハーグのデビュー作「ザ・ループ」を入手する。この作品に触発されて制作されたという連作のドラマを観たことを切っ掛けに。 日本で先行出版された「エレクトリック・ステイト」の世界では「1997年春 モハーベ砂漠、パシフィカ、USA」から物語が始まる。それはそれで完結した話のようでもあり一作目とは想定されている地域も異なるが、「ザ・ループ」を読んで初めてそれが壮大な物語の一部を為しているらしきことを知る。 「ザ・ループ」は、2014年春にクングスベルガにおいてシモン・ストーレンハーグが過去を振り返った(という設定の)記憶の断片集ともいうべき物語。その出発点は、1950年代に構想され、1961年に建築開始後、8年を掛けて完成、24年間に渡り実験が繰り返され、1994年に運用停止となった巨大粒子加速器、通称「ループ」。それこそが、続編「フロム・ザ・フラッド」から「エレクトリック・ステイト」へ、さらには未邦訳の「The Labyrinth」、「Europa Mekano」、「Sparrow」へと続くようにも思える現代版北欧神話(サーガ)のオーディン(北欧神話の最高神であり戦争と死の神)に相当すると想像される。因みにKungsbergという地域がストックホルムから二百キロメートル余り北に実在するし、ループの舞台となるエケレン島もストックホルムの西に実在する島である。 それが何に使用され、どのような結果を招いたのかは「ザ・ループ」の中で直接語られることはないが、少年の目を通して描写される無惨に残された施設の残骸群などが、運用を停止した後でその周辺地域において都市伝説を生み出しても可笑しくはない風景として、不自然に他愛もないもののように描かれる。それ故却って、危険なものが日常の中に深く併存していることの恐怖感がじわじわと押し寄せる。 作家シモン・ストーレンハーグの創作した空想科学世界は、科学的に熟考されたように見える架空の装置の実態に関する細密な描写と、ディーゼル内燃機関や古い型の車両などが誘因するノスタルジックな雰囲気が溶け合い、絶対に在り得ない筈なのに奇妙な既視感に満ちた世界を立ち上げる。しかし山形浩生が解説で述べているように、これを全て架空の物語と受け取ってしまうのはナイーヴ過ぎるのかも知れない。例えば、地下深くに建設されたという巨大加速器とその中心にあるとされる高温の「グラヴィトロン」は、フィンランドの地下最終処分施設のことなどを嫌でも連想させるし、人間が国家的プロジェクトの名の下に人知を超えた技術に手を出してしまった例は数多くある。 それを脇においても、とにかくストーレンハーグのイラストレーションは素晴らしい。マットな質感の筆遣いの背景の中にやや詳細に描かれた装置や人物を対比するよう配置させる構図が、何よりも現実と想像の世界の境を限りなく不明瞭にする。写実的だが印象派的でもある、と言ったらよいのか。このイラストの世界は、今にも動き出しそうな雰囲気に満ちている。
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