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鳥のおくりもの アジア文学館
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 段々社 |
発売年月日 | 2019/11/01 |
JAN | 9784434263958 |
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鳥のおくりもの
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ジニは、自分を「見せる私」と「見る私」に分けることで、生との間に一定の距離を保ってきた。ジニは、いつも自分を眺めている。「見せる私」を生へと導き、「見る私」にそれを見つめさせる。ジニの中のもう一人の自分に、ジニの行動を一つ残らず見張らせるこのやり方を、もう三十年近く続けてきた。こ...
ジニは、自分を「見せる私」と「見る私」に分けることで、生との間に一定の距離を保ってきた。ジニは、いつも自分を眺めている。「見せる私」を生へと導き、「見る私」にそれを見つめさせる。ジニの中のもう一人の自分に、ジニの行動を一つ残らず見張らせるこのやり方を、もう三十年近く続けてきた。これは自分を傷つけないために編み出した方法だろう。ソウルから遠く離れた町で、1969年、ジニは十二歳の少女だった。時は朴正煕時代。小説の背景にはその時代が色濃く描かれている。ジニは、母親を亡くした。父親の行方は分からない。祖母と叔父と叔母と一緒に暮らしている。叔父のヨンフン兄さんはソウル大の法学部の大学生だ。そして、叔母のヨンオク姉さんは、高校を卒業して英語教室を開いている。ジニは学校でも優等生。外からは見られる自分を見せている。本当の自分は誰にも見せない。それが傷つかないで生きる道だ。そう、ジニは年に似合わず、身近な人たちの「秘密」を一人冷めた目で観察する少女に育ってしまった。12歳で年を取ることを止めにしたのだ。少女の目から見た大人の様子が描写され、朴正煕時代の空気が背後に纏いつく。60年代の韓国を覗き見るようだ。作者のウン・ヒギョン(殷煕耕)は1995年、この「鳥のおくりもの(세의 선물)」で第1回文学トンネ小説賞を受賞する。
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韓国の伝統的な韓屋にお祖母さんや叔母さんと住む12歳のジニ。 ジニが見た家族や韓屋の同居人たちの日々の暮らしが、1969年の時代背景と共に描かれている。 ジニは両親と6歳にして別れ、世の中は自分に対して好意的でないと悟った。12歳にして人生を知り尽くし、これ以上成長する必要がない...
韓国の伝統的な韓屋にお祖母さんや叔母さんと住む12歳のジニ。 ジニが見た家族や韓屋の同居人たちの日々の暮らしが、1969年の時代背景と共に描かれている。 ジニは両親と6歳にして別れ、世の中は自分に対して好意的でないと悟った。12歳にして人生を知り尽くし、これ以上成長する必要がないと考える。そんなジニの視点から見ているので、子どもの立場でありながら、洞察力は大人並み、いや、そこらの大人以上だ。 ジニからみた周りの大人たちの愚かさや可笑しさが浮き彫りになる。ジニは悲しみに対しても敏感なゆえ、視点は愛情にも満ちている。 初恋を体験する自分自身の分析も客観的で切ない。 ジニは「見る自分」と「見せる自分」に分けて、生との間に距離を保ち、悲しみに傷つかないように克己訓練を続ける。 アイロニカルなジニに気持ちを寄せてしまうのは、12歳本来の傷つきやすいナイーブな内面を否定する悲しさを感じるからだろうか。 と書いていると重い内容に思えるが、ユーモアたっぷりでおもしろいのです。
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