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春原さんのリコーダー ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2019/10/09 |
JAN | 9784480436207 |
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春原さんのリコーダー
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商品レビュー
4.3
7件のお客様レビュー
やわらかく、さみしく、あたたかい不思議な歌集だった。 Twitterでいろんな短歌や小説の一節を紹介してくれるbotがあって、気に入った言葉をノートにメモしていたんだけど、気に入る短歌の作者によく東直子の名前があったので、気になってこの歌集を手に取った。 好きな歌が多すぎる。た...
やわらかく、さみしく、あたたかい不思議な歌集だった。 Twitterでいろんな短歌や小説の一節を紹介してくれるbotがあって、気に入った言葉をノートにメモしていたんだけど、気に入る短歌の作者によく東直子の名前があったので、気になってこの歌集を手に取った。 好きな歌が多すぎる。たくさんメモした。 てのひらにてのひらをおくほつほつと小さなほのお ともれば眠る 「そら豆って」いいかけたままそのまんまさよなら したのさよならしたの いつぞやはうつむきながら笑いつつはにかみながら梨を分けたね その箱をおっとりそっと手放せば優しく癒えてゆくよ病も 桃の皮とか鍵とかも言わずもがな好きだけど、このへんも好き。どこの誰に向けているかもわからないけど、どこかさみしくて、でもあたたかくてその不思議さが好き。 川上弘美の小説が大好きなんだけど、彼女との対談も載っていてうれしかった。そこつながりあるんだ。また別の歌集も読んでみようと思った。
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「ばくぜんとおまえが好きだ僕がまだ針葉樹林だったころから」という歌を知ってからずっと読みたかった本、やっぱり穏やかでいながらどきっとする歌が多かった 特に気に入ったのはここらへん こわれもの預かってます木村さん あなたの眠るベッドの下で 好きになるという粘土質歩くとき私に神がい...
「ばくぜんとおまえが好きだ僕がまだ針葉樹林だったころから」という歌を知ってからずっと読みたかった本、やっぱり穏やかでいながらどきっとする歌が多かった 特に気に入ったのはここらへん こわれもの預かってます木村さん あなたの眠るベッドの下で 好きになるという粘土質歩くとき私に神がいない寂しさ 冬の間ゆっくりさめてゆくために海へゆこうと思っています 産む前の私に戻れはしないけど夏へと向かう傘たたく雨 一度だけ「好き」と思った一度だけ「死ね」と思った 非常階段
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雪の多い私の住む地域にも春が訪れました。 庭にクロッカスの花が咲いているのを見つけました。 それで、なんとなくこの歌集、タイトルと表紙の絵が春っぽいかんじがしたので手に取りました。 この歌集はいままで読んできた歌集とはちょっと違いました。 なんか難しいのです。 それで先に巻末の...
雪の多い私の住む地域にも春が訪れました。 庭にクロッカスの花が咲いているのを見つけました。 それで、なんとなくこの歌集、タイトルと表紙の絵が春っぽいかんじがしたので手に取りました。 この歌集はいままで読んできた歌集とはちょっと違いました。 なんか難しいのです。 それで先に巻末の解説から読みました。 わかったことは、この歌集の歌は写実的でない、言葉の音楽的な味わいを楽しませてくれる歌集であるので、意味は時折り犠牲にされているとのこと。 だから、なんとなく雰囲気はあるけど意味のわからない歌が多いのかと思いました。 春原さんという苗字ですが、架空の名前かと思ったら実際にいらっしゃる方の名前を借りたそうです。 ○転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー 次の歌は東直子さんの代表作だそうです。穂村弘さんはこの歌を相聞歌だとおっしゃっています。 ○廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て 以下私が印象的だと思った歌を ○ひやしんす条約交わししゃがむ野辺あかむらさきの空になるため ○かの家の玄関先を掃いている少女でいられるときの短さ ○え、と言う癖は今でも直らない どんな雪でもあなたはこわい ○違うのよ ふゆぞら色のセーターににわかにできる毛玉のような ○あの時は待っていましたきっちりと合わせた膝に花を咲かせて ○春風はいつも強くて強すぎてなんもかんもがめちゃくちゃになる ○夕やけの色の野花のお茶を飲む 許す許さぬやがては一期 ○よい人とよい街にゆきよい花を育ててしんしん泣いたりしてね ○春がすみ シュークリームを抱えゆく駅から遠いともだちの家 ○こぼれ出た涙を一滴シャーレの中へ何かが死んで何かが生きる ○ぼくは遠い場所から来たがあなたから離れてもっと遠くへゆくよ
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