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チェーン・ピープル 幻冬舎文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2019/10/09 |
JAN | 9784344429093 |
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チェーン・ピープル
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商品レビュー
4.4
7件のお客様レビュー
6人の様々な「人」。 それを「私」という記者が文字にして記録を残す。 だから、この「私」は、あくまで黒子。 「ナナツコク」は頭の中にしかない地図の国の物語。 どこにもない国を代々女性が記憶として受け継いでいく家系があるのだという。 語らない、記さない、自ら変えない……繋ぎ続ける...
6人の様々な「人」。 それを「私」という記者が文字にして記録を残す。 だから、この「私」は、あくまで黒子。 「ナナツコク」は頭の中にしかない地図の国の物語。 どこにもない国を代々女性が記憶として受け継いでいく家系があるのだという。 語らない、記さない、自ら変えない……繋ぎ続けるものには、そんな掟があるそうだ。 地図は日々変わり、それを記憶し伝える者はナナツコクが他国から攻められても何もできない。 なんとふしぎな世界だろう。 物語はナナツコクが主人公の嘘やもうそうなのか、それとも本当なのかについて明らかにしない。 なぜなら人の心の中は自由だから。 嘘か誠か、それはそこでは大きな問題ではない。 人は自らの中に心の地図を持っているのだ、と「私」は記事を締める。 表題作「チェーン・ピープル」は無個性の個性について。 このチェーンはチェーン店のチェーンである。 チェーン・ピープルは平田昌三という一人の人間の個性をマニュアルとして、自分を作り上げている。 たくさんの個性の中であえて同じような人となる……。 しかし生きている年齢や仕事が違うから、個性が際立ちもする。 ふしぎな感覚だが、よく考えれば街のコンビニだって同じ店は一つとしてない。 同じなのに違う。 それこそが個性? 本書では読者が生きる現実世界を少し変えた不思議な世界が広がっている。 大きな事件が起きるわけではないが、淡々とした世界にSF要素が入ってくる。 私とは、そして私が見ている世界とはなんなのだろう? そんなことを問われているようだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
⚫︎受け取ったなメッセージ 物事は一面だけ見ると美徳だったり醜悪だったりする。 ⚫︎あらすじ(感想) 「いつでも、誰でも人格者になれます」。名前 も年齢も異なるのに、同じ性格をもち同じ行 動をする人達がいる。彼らは、チェーン店な らぬ「チェーン・ピープル」と呼ばれ、品行 方正な「平田昌三」という人格になるべくマ ニュアルに則り暮らしていた。そんな時、4 29人目の平田昌三が、殺人事件を起こす。 温和なはずの彼は、なぜ人を殺めたのか――。 ⚫︎感想 善と悪、真実と嘘、 時代の潮流、角度の当て方によって それらは簡単に180度回転する。 それぞれ、とてもおもしろく読了感も良かった。 「一見、〜だが実は…」という読みやすい短編集。 「正義の味方」 日本人を救う正義の味方と最初こそもてはやされたものの疎んじられていく巨大生物 「似叙伝」 依頼者の夢を叶える「似叙伝」(じじょでん)を書き続けた男 「チェーン・ピープル」 平均的に良いチェーン店のような「平田昌三」なる人物を演じる人々(歴代300名以上いる)を描く 「ナナツコク」 心の中にしか存在しない理想の地図を描く 「ぬまっチ」 ぬまっチという生身のおじさんが歯に衣着せぬ「ゆるキャラ」として認知されているその裏で実は… 「応援」 応援という名の「おいつめ」
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比較的最近の短編集 いつの作品なのか知らず、いつもの感じかと舐めてました(謝罪)今まで読んできた短編集の中ではベストです。 「正義の味方」 突然現れ街を破壊する「敵」とそれを退治する謎の存在「正義の味方」人々は初めは快く迎え入れたのだが、巻き込んで街を破壊するため、徐々に群衆心...
比較的最近の短編集 いつの作品なのか知らず、いつもの感じかと舐めてました(謝罪)今まで読んできた短編集の中ではベストです。 「正義の味方」 突然現れ街を破壊する「敵」とそれを退治する謎の存在「正義の味方」人々は初めは快く迎え入れたのだが、巻き込んで街を破壊するため、徐々に群衆心理が変化してくる。 「似叙伝」 当人がたどりたかった偽の人生を自叙伝として作成する業者の話 残るものが本だけだとしたら、その理想は何なのか? 「チェーンピープル」 人格のチェーン展開化、マニュアルや大会まで開かれて、ひとつの理想の人格者を持って生きる人々の話 「ナナツコク」 記憶の中だけに存在する地図、その地図を受け継ぐ女性の話 三崎作品の異世界文化要素濃いめ作品 「ぬまっチ」 ゆるキャラとして活動する、着ぐるみを着ないおっさんの話 「応援」 応援する側、される側加熱する応援の反転、ネットで起きてるリンチや炎上する現象 理想を胸に、それを目指しながら生きるのはチェーンピープルではなくともあること ぬまっチは船橋のヤツに近い。 幻影のように、消えてなくなるものや道化のような力関係を破壊するモチーフがありつつ、どちらかというとこれまでの作品よりも現実寄りのテーマが強い印象でした。解説にもあるように「世にも」をこの一冊で丸々一回分やり切るのはアリだと思います。 他の短編集だと、ややモヤモヤしてわからないままの作品がひとつくらいあったのだけれど今回はどれも満足。
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