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生態写真集 キタリス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2019/09/26 |
JAN | 9784104473038 |
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生態写真集 キタリス
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商品レビュー
4.7
3件のお客様レビュー
フクロウやモモンガだけが空を飛ぶものだと思っていたのですが、短距離ではあるが、木と木の間を飛んだりするのには驚きました。
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キタリスとは北方の森林地帯に住むリスの総称で、日本では北海道に生息する。亜種エゾリスと呼ばれている。 無償で野生生物を治療したら、地元の人からは、それが当たり前のようになって、担ぎ込まれるようになったという。彼らは元気になっても先生のところへやってきて、先生を「観察」したり、遊び...
キタリスとは北方の森林地帯に住むリスの総称で、日本では北海道に生息する。亜種エゾリスと呼ばれている。 無償で野生生物を治療したら、地元の人からは、それが当たり前のようになって、担ぎ込まれるようになったという。彼らは元気になっても先生のところへやってきて、先生を「観察」したり、遊び相手にする。それにしても、「元患者」との関係がこんなに濃密とは、竹田津先生がどれほど「患者」たちに信頼されているかが伺える。 餌付けすることに賛否はあろうが、都会の公園では決してしてはいけないこと。餌に釣られた野鳥は、猫に捕獲される確率が高くなる。人を怖がらなくなった動物は、人によって殺される運命ともなりかねない。人里離れた深い森に住む竹田津先生だから、きっと責任を持って行っていることだと思う。 (でも、ヤマガラやリスが先生の膝の上にいるなんて、正直いうと羨ましい。) エゾリス が色々な表情をすることは知っていたが、これほど豊かとは!日々の観察なくしては、決して生まれない写真ばかりだ。決定的な瞬間を、芸術的に撮った写真も素晴らしく、感動するが、わたしは日常の中で同じ動物が違った表情を見せてくれる写真に、とても惹かれる。その観察は、思いがけない生態を教えてくれた。時々先生が「ムッとする」ことも面白い。 先生は患者に名前をつけないが、ごく近しかったリスは名前をもらう。キタリス「アカキチ」の「野生の死」の描写は、お医者さんならではの客観的な観察眼で書かれている。 ほとんどが写真の中に、短い文章が時々入っている。原始の森の中で四季躍動する姿も、好奇心いっぱいの表情も、淡々と野生を生きる姿も美しい。
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野生のキタリス(エゾリス)が、こんなに豊な表情を見せてくれるとは! 新聞の書評が何かで知った本だったが、写真集で4類区分ならば学校図書館に欲しいなぁ…と購入して頂いた。しかし、そんな下心を大きく裏切る野生動物の魅力の詰まった本だった。 表紙の可愛らしくもいたずら好きそうなキ...
野生のキタリス(エゾリス)が、こんなに豊な表情を見せてくれるとは! 新聞の書評が何かで知った本だったが、写真集で4類区分ならば学校図書館に欲しいなぁ…と購入して頂いた。しかし、そんな下心を大きく裏切る野生動物の魅力の詰まった本だった。 表紙の可愛らしくもいたずら好きそうなキタリスは、ビアトリクス・ポターのピーターラビットシリーズ「リスのナトキン」を連想させる。 ページを開くと、そこは北海道の森の中。 そこに生きる動物たちと、彼らと同じ目線になって佇む著者の姿があった。 著者の竹田津さんは、元々北海道の畜産医をされていたが、思うところあって、森に居を移し、野生生物の獣医となられた。 傷ついた野生動物たちを診て、治癒後元の森に放すが、中にはあんなに嫌がっていたはずの診療所にまた戻ってくる「元患」もいるらしい。 そんな元患のキタリスを中心に、野鳥や鹿、森の四季の表情を本当に生き生きと写真に捉えている(あ〜、文章力なさ過ぎ…もっと的確な表現ないかしら…)。 写真に添えられている文章もこれまた、いいのだ。 "テレビの番組で「弱肉強食」というタイトルを使うと視聴率が上がると聞いたことがある。 自然界では日常がそうであるとも言っているのだが、私はいつも訝っている。 早春、(キタリスの)恋の季節の大騒ぎに、(中略)ドジなやつが現れるのではないかとクマタカの若者がやってきた。 驚いて、集まった求婚者たちが散々になるかと思ったら、全くその様子が見えない。 むしろ(中略)眈々とねらうクマタカの若者を何度も挑発して、相手が未熟者と知ると面白くないのか、プイと去って行った…。''p.35 "そういえば老人になって 動作が緩慢になったと思うことが多くなった。 以前はドカドカと歩いていたように思う。 それが近頃、ソロソロとなっていた。 (中略)人間じゃあないみたいな歩き方である。 いつの間にか私の動きが ヒトという種ではない生物のそれに変っているようだ。 (中略)ヒトを卒業したのかもしれない。 何になったんだろうと 見上げるネズミの瞳をみながら考えている。 考え込んでいる。''p.167 など、味わい深いでしょう? そんな竹田津さんだからこそ、キタリスも他の動物たちも面白がって、こんなに近くで、こんなに豊かな表情を見せてくれるのだろう。 子どもの頃に観た「キタキツネ物語」の動物監督をされていたことや、「子ぎつねヘレン」の原作の著者でもあることを、読後この本の著者プロフィール欄で知ったが、なるほど納得である。 いや〜、期待以上の本に出会える幸せをしみじみ感じた本でした。2020.7.9
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