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ゆめこ縮緬 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2019/09/21 |
JAN | 9784041081990 |
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ゆめこ縮緬
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商品レビュー
4.1
13件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんとも言い表せない複雑な気持ちで読み終えた。理由の分からない妖しい夢を見たみたいな、ひとときの幻想に足を踏み入れたような短編集だった。 聞き慣れない言い回しも出てくるし、生者と死者の境目が曖昧で、すぐあちら側の世界に連れて行かれそうになる。それなのにとても読みやすい点に驚く。 幾人かの登場人物に業の深さを感じて、重さを静かに受け止めていく読書だった。八作品、読み進めるほどにハマっていく深みがあり、どれが良いというのが選べない。それぞれ主人公の見えている景色が違って、それぞれの地獄がある。 いくつか同じ中洲を舞台にした話があるのが良かった。いろんなモノやヒトが集まってくるその土地を覗いてみたい気がした。
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「文月の使者」が印象的だ。中洲の煙草屋で話をしているだけなのに、男なのか女なのか、生者なのか死者なのか、境界が分からなくなってきて、どうにも妖しい。 他の話も、ただぼんやりと読んでいても話が頭に入ってこない。流れるような美文なものだから騙されているような気分になってくる。なんとも...
「文月の使者」が印象的だ。中洲の煙草屋で話をしているだけなのに、男なのか女なのか、生者なのか死者なのか、境界が分からなくなってきて、どうにも妖しい。 他の話も、ただぼんやりと読んでいても話が頭に入ってこない。流れるような美文なものだから騙されているような気分になってくる。なんとも妖しい一冊だった。
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脳をフル稼働させて必死で読んだ… 幻想小説と時代小説が融合した風のこの作品集、中々骨が折れました。 暗喩がたくさんで理解するのに一苦労。この台詞は誰?と行きつ戻りつ。 それぞれ独立した短編のはずだが、一部共通して登場する「中洲」という場所を通じて連作っぽい感じもある。 川...
脳をフル稼働させて必死で読んだ… 幻想小説と時代小説が融合した風のこの作品集、中々骨が折れました。 暗喩がたくさんで理解するのに一苦労。この台詞は誰?と行きつ戻りつ。 それぞれ独立した短編のはずだが、一部共通して登場する「中洲」という場所を通じて連作っぽい感じもある。 川はあの世とこの世を分かつ象徴だが、では中洲はどちらに属するのか?虚実あいまいでない混ぜになった異界めいた物語「文月の使者」に蛇の生臭さと不誠実さ漂う「ゆめこ縮緬」、中洲を通じ捩れた時空が繋がる「青火童女」。 シャガの根が湿気った家の畳の下に蔓延っている様子に寒気がする「胡蝶塚」、古代中国の妖狐伝説を題材に取った「影つづれ」、切った指が玉虫に変化するという衝撃「玉虫抄」…あたりも印象深い。 地蔵が生えるという未知の描写ではじまる「桔梗闇」は艶かしく息苦しい。 「花溶け」は漆喰で壁に塗り込められたように身動きが取れず、登場人物がみんな嫌な感じ。 「影つづれ」の壁の向こうの声は誰だ? これまでに読んだ皆川博子先生の作品とはまた違った、格調高く嫌らしい魅力が詰まった一冊に感じた。 1刷 2021.6.30
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