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だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人 集英社文庫
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だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人 集英社文庫

水谷竹秀(著者)

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だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人 集英社文庫

定価 ¥715

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2019/09/20
JAN 9784087440249

だから、居場所が欲しかった。

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商品レビュー

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2024/02/19

着眼点はおもしろいが、筆者の主観が少し入りすぎている体がある。具体的には「〜のように見える」や「〜なのだろう」の多様が少し気になった。ルポルタージュなのだから、こうした表現があって然りなのだが、筆者の感覚が私と違うため、そうした表現に当たるとたまに「…いや、そうじゃなくない?」「...

着眼点はおもしろいが、筆者の主観が少し入りすぎている体がある。具体的には「〜のように見える」や「〜なのだろう」の多様が少し気になった。ルポルタージュなのだから、こうした表現があって然りなのだが、筆者の感覚が私と違うため、そうした表現に当たるとたまに「…いや、そうじゃなくない?」「いや、それは中年男性の視点だよなぁ…女性から見たらそうじゃないと思えるけど」と感じる点が多かった。 とはいえ読み物として、孤独を抱きながら海外に住む方々の人生を少しでも共有してもらえたのは良かった。

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2023/09/30

うーん、難しいな。 例えどんな社会を実現したところで、そこから溢れ落ちる層は一定数いるのではないかな、と思った。仮に、この本に登場した人物たちが、日本でのびのびと暮らせる日がきたとしても、また新たな差別や偏見、生きづらさ、歪みはどこかしらででると思う。世界から戦争がなくならいよう...

うーん、難しいな。 例えどんな社会を実現したところで、そこから溢れ落ちる層は一定数いるのではないかな、と思った。仮に、この本に登場した人物たちが、日本でのびのびと暮らせる日がきたとしても、また新たな差別や偏見、生きづらさ、歪みはどこかしらででると思う。世界から戦争がなくならいように、結局、人が人である以上、ある程度は受け入れなければいけない問題な気がした。 でも、だからと言ってそのままにするのではなく、こういう現実があることを知った上で、どうしたらみんなが幸せに暮らせるのか、ということは考え続けなきゃいけないし、常に意識すべきだと思う。うーん、でも難しいな~。 この一冊の中にいろいろな社会問題が出てくるので、単純に論じることができないところもあったりして、とにかく自分の知識と経験の乏しさをひしひしと感じた。 もう少し、関連書籍を読んで勉強しようと思います。

Posted by ブクログ

2023/07/13

ちょっと昔、引きこもりの海外バージョンとして「外こもり」という言葉が話題になった。日本社会に生きづらさを感じて東南アジアの国々に移住するも精神的には引きこもり同然の若者たち。まだいたのかというのが本書を読んでの正直な感想だ。 当時、外国語能力不問の海外バイト求人がある話も旅行好...

ちょっと昔、引きこもりの海外バージョンとして「外こもり」という言葉が話題になった。日本社会に生きづらさを感じて東南アジアの国々に移住するも精神的には引きこもり同然の若者たち。まだいたのかというのが本書を読んでの正直な感想だ。 当時、外国語能力不問の海外バイト求人がある話も旅行好きの間では有名で、職種を知らなかったのもあってワーキングホリデーみたいで楽しそうだなと単純に思った覚えがある。 ただワーホリは年齢制限という期限があり、バンコクのコールセンターにはない。その違いは大きい。 そもそも、大企業が人件費の削減という労働者の生活を全く考えていないケチくさい自己中心的な理由でコールセンターを地方に建てていたのが、もっと安く人をコキ使えるからと東南アジアに触手をのばし、ますます貧乏人からまともな暮らしを搾取してる状態がバンコクのコールセンターだろう。ワーホリとは根本が違う。 企業にとっては非正規雇用者の人生なんか知ったこっちゃないのだ。日本で生活を立て直せる年代を越えてしまっても、その後に働けなくなっても、それを選んだ本人の責任だから何もしてくれない。 なのに月給たったの10万円。いくら物価が安くても月10万円はない。貯金なんかできないし、将来設計もできない。ある日倒れたらそれでおしまいの身も蓋もない金額だ。それなのに「タイは気候が良くて生活費も安い。それに親日で居心地が良い。仕事は退屈でも窮屈な日本で死んだように暮らすよりマシだ」というのは、搾取されてる現実を否認して自暴自棄になってるようにしか見えない。 つまり借金やトラウマや差別など、やむにやまれぬ理由で祖国からドロップアウトして、それでも何とか生きようともがいた先の最後の崖っぷちなのだなと思った。そこを居場所と呼ぶ人たちの様子は読めば読むほど生々しい。日本で孤独死するよりはマシかもしれないが、無為無策のまま海外脱出したところで、結局は逃げ場を失うだけなのがよく分かる。実際、自死する在外邦人も多いそうで、インタビューのはしばしにしんどすぎる現実が垣間見える。 例えば困窮邦人のサンプルとして出てくる48歳の男性。とにかくインパクトがすごかった。すでに人生を半ば放棄していて、外こもりの最終形態という感じがした。元コールセンターの青年がしきりに「負のパワーを感じるから関わりたくない」と言うように、強力な貧乏神か死神でもついてそうだった。ペットのハムスターとモモンガはどうなったのか。彼はまだご存命なのか。 また、在外邦人社会のなかでコールセンター勤務を最底辺としたヒエラルキーがあるというのは、日本国内からは想像できない話でなかなか興味深かった。もっともそれは在外(ソト)というだけで国内(ウチ)にいる人間の思考から消え失せるせいかもしれないが。 ヒエラルキー自体は日本国内でもありとあらゆる場所で見る光景でいまさら驚くことでもない。ただ、海外の邦人社会という小さいなバブルの中で見ると、より一層囚われて抜け出せない感じが鮮明になる。舞台こそ海外だが、これは明らかに日本社会の縮図だ。ある意味では日本人が海外に行っても、せっせと「健気に」タテ社会という日本人的生態系を形成運営してるとも言える(参考:中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論』)。 一方でゴーゴーボーイの買春にハマった女性が嫉妬深い男性みたいな振る舞いをするのはちょっと面白かった。 日本人とタイ人との間に、男女くらいの階級差を見ているからこそできる行動だろう。この場合、日本人女性が日本での男性の立場になっている。 この視点で見ると、ああいう行動は愛情うんぬんではなく、男性ならではの特性でもなく、単なる支配欲のきままな発露なのがよく分かる。舐め腐っている相手が自由にするのは許せない。自分にとって気持ちのいい支配関係が壊れる。だから暴力的に修正しようとするのだろう。これからは嫉妬深くて支配的な男性のふるまいを見聞きするたび、相手を心底なめきって安心して暴れてるのだなと理解できそう。 タイの性産業は、女性が男性を買うのが普通だったり、昔でいうお妾商売の男女逆転版みたいなゴーゴーボーイがいたり、ゲイ同士でもお妾商売しているやらでカルチャーショックを感じる。 こうした現在にいたるまでのタイ性産業の隆盛がベトナム戦争で米兵を休ませるために両国間で結んだ条約が元になっており、ゲイボーイ商売も欧米人がもたらした文化だというのもなるほど納得だった。戦争と売買春は切っても切れない関係なんだなと。 週刊誌の記事みたいな文面だが色々面白かった。

Posted by ブクログ

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