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古事記の研究 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2019/09/19 |
JAN | 9784122067783 |
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古事記の研究
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古事記の研究
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
長野県伊那郡の教育会での講義録。そんなに読み易くはない。専門家だったら得る処は多いのかも知れないが。 個人的には日本書紀が公式文書なのに、何故古事記が持て囃されるのか不思議に思っていた。本居宣長が世に問うまで偽書紛いと見做されていたと言うし。本書でも古事記の成立の疑問に触れている...
長野県伊那郡の教育会での講義録。そんなに読み易くはない。専門家だったら得る処は多いのかも知れないが。 個人的には日本書紀が公式文書なのに、何故古事記が持て囃されるのか不思議に思っていた。本居宣長が世に問うまで偽書紛いと見做されていたと言うし。本書でも古事記の成立の疑問に触れている。つまり、文学的見地からその価値を認めざるを得ないということ。しかし、素人は、文学として優れているからと言って認めていいんだろうかと考えてしまう。 アジスキタカヒコネを称えた歌については、「瓜と龍蛇」を読んだ後に折口信夫の「たなばたのこと」を読み、兄姫と弟姫の2人の神の嫁が水際で神を迎える話を読んだことがある。それなのに弟棚機が弟姫のことと気付かないんだから、自分の莫迦さに呆れた。此処では日本武尊の妃で海に身を投ぜられた弟橘姫の名も引かれている。 「みこともち」とは神のご命令を伝達すること。天皇のみことを持つ将軍はみことと云われる。尊や命が敬称がここから発生する。ご命令を読むときは、天子と同じになる。芝居のことを引いて説明ているが、納得。 しかし、古い文章だから正しいとも限らなくて、更に古い事物が判らなくなっていることもあると云われたら、素人はどうしていいか困ってしまう。 現代的な合理的な解釈では、読み切れない部分も多い。そういうもんだと認識するしかないのかな。
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折口先生の古事記論と万葉集論である。 昭和9年頃に長野県で行われた折口先生の講義を筆記記録した形になっている。この講義は、古事記だけで2回にわたって行われたようで、これだけの分量の話になると、2回に分けたとはいえ、話をする折口信夫も、聴いている方も相当骨の折れるものだったろうと...
折口先生の古事記論と万葉集論である。 昭和9年頃に長野県で行われた折口先生の講義を筆記記録した形になっている。この講義は、古事記だけで2回にわたって行われたようで、これだけの分量の話になると、2回に分けたとはいえ、話をする折口信夫も、聴いている方も相当骨の折れるものだったろうと推測される。 だが、本書の解説にもあるように、この講演が「第4期国定教科書における神話教材に対する研修という目的が大きな理由であったと考えられる」とするなら、時代がどんどん戦争に傾いて薄暗くなっていき、天皇の神格化とともに国定教科書にも神話がどんどん盛り込まれていく中にあって、その教科書を使って子どもたちに教育をせねばならなくなる教師たち(講演の聴衆たち)も必死であったろうから、これだけの分量の講義も大して苦にならなかったかもしれない。また、講師が、その辺のテキトーな内務省のお役人ではなく、折口信夫であったことも、聴くものの関心を捉えて離さなかったに違いない。 本書は、決して読みやすい本とはいえない。表記もところどころ旧仮名遣いで書かれているし(これはすぐ慣れる)、カタカナ言葉もひらがなで書いてあるし(これもそのうち慣れる)、折口の言っていることもちょっとよくわからない所もあるからである(これはなかなか難しい)。しかし、ページをめくるたび、新たな発見が次々と現れる点では、とても面白い本である。それは、現代の私たちが無意識でやっていることや、習慣とかあるいは慣習という2文字に押し込んで改めて考えなくなっている行為や言葉、なんとなく気になってはいるものの、もうその語源やなりたちなどわからなくなっている言葉たちを、その語源や音から丁寧に説き起こしてくれているからである。したがって、前記のように、神話教育のための研修としての講義だったかもしれないが、神の尊さとか天皇の神性とかそういうことではなく、古事記を題材にした、壮大な日本文化論になっているのである。そこが本書の大きな魅力であり、目が醒めるような感覚を覚えるところであり、民俗学者折口信夫の力量を感じるところである(さすが、折口先生だ)。 第3部の万葉集の部分、特に東歌の研究のところも面白いお話である。
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昭和九年と十年に行った講義「古事記の研究」(一・二)と「万葉人の生活」を収録。「古事記研究の初歩」と自身が呼ぶ講義の初文庫化。〈解説〉三浦佑之
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