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きみはだれかのどうでもいい人
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2019/09/18 |
JAN | 9784093865517 |
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きみはだれかのどうでもいい人
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商品レビュー
3.4
79件のお客様レビュー
地方の税務事務所。キャリアを目指す中沢、中沢と同期だが、一時期病んで光が無くなって戻ってきた染川、中沢とは親子ほどの年齢差で適当にうまくやっている田邊、厳しい課長の堀。ある日を境に、同じ部署のお荷物だったアルバイトの須藤さんが来なくなり、心的ショックによって記憶喪失となり、復職も...
地方の税務事務所。キャリアを目指す中沢、中沢と同期だが、一時期病んで光が無くなって戻ってきた染川、中沢とは親子ほどの年齢差で適当にうまくやっている田邊、厳しい課長の堀。ある日を境に、同じ部署のお荷物だったアルバイトの須藤さんが来なくなり、心的ショックによって記憶喪失となり、復職もしなくなった。職員の4人にはそれぞれ思い当たる節があるが…。 4人それぞれの視点で、須藤さんが来なくなるきっかけらしきものを回顧する、同じ時間を再現するタイプのアンソロジー作品。そして、それぞれが胸というか、内臓をぎゅっと掴まれるような辛い話である。 中沢の章では、穀潰しの妹、田邊の章では家を出ていった社会人になった娘、そして堀の章では英会話の同僚など、それぞれのまあ言うたら本編と関係ない部分が生々しく描かれており、表題にもなった田邊の章が一番描きたかったところなんだろうな。それに比べると、染川、堀の章はふわふわした出来になっている。 ガンと殴られる系ではなく、天井がジリジリ下がってくるような焦燥感しか感じない、最近の小説にはあまり見ないタイプの重さが、本作品の魅力と言える。 一方で、2章目から「誰の話なの?」と戸惑うこと請け合い。というのも、一文に主語が2つ有るような文が羅列されるのだが、2章目以降は、「誰が」という部分がなぜかぼかされており、誰がどうしたのか、そもそも今まで出てきた人なのかどうか、男か女かすらわからない状態で話が進む。したがって、章が変わると途端に読むスピードが失われる。 こういう主語を書かずにぼんやりふわっと、しかしザクザクとだれかが特定の誰かに怒りを向けているというのは、2000年代以降のスタイルなのであろうとは思う。ただ、本当に読みにくいです。 内容の重さと生々しさで★4だが、文の読みにくさでマイナス1。致し方ないところであろう。面白いのは面白いよ。 あと、表紙が実写だし、帯は大きく売りたいのはわかるけれども、もうちょいマイルドな表紙にして、読者を騙しても良かったんじゃないかな。実写の表紙は重すぎるわ。
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自分はどの人に一番感情移入できるか考えながら読んだ。繊細なのも罪になる?振り回される側の話は今まであまり目にしたことはなく、読んでいてハッとした。考えさせられた本。
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きみはだれかのどうでもいい人、というフレーズはたぶん本文の中では一度も出てこなかった気がする。その代わりに、目の前にいる人は誰かの大切な人かもしれない、みたいなフレーズは何回か出てきた。 誰かの大切な人、と思って人と接すれば良いのだろうけれど、だけどそればかり考えてしまうと自分が...
きみはだれかのどうでもいい人、というフレーズはたぶん本文の中では一度も出てこなかった気がする。その代わりに、目の前にいる人は誰かの大切な人かもしれない、みたいなフレーズは何回か出てきた。 誰かの大切な人、と思って人と接すれば良いのだろうけれど、だけどそればかり考えてしまうと自分が辛くなる。あなたはだれかのどうでもいい人、そんなこと知るか、って時にはそう割り切ることも必要なんだろう。 四人それぞれの立場や視点で、心情がリアルに描かれていた。若者と経験者、母と娘、器用な人と不器用な人。それぞれの気持ちもわかるし、痛い所を突かれたような気持ちになった。個人的には第4章が好き。
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