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サイラス・マーナー 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2019/09/11 |
JAN | 9784334754105 |
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サイラス・マーナー
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商品レビュー
4.5
13件のお客様レビュー
「蒔かれた種子は、その種類に応じた実を結ぶ」という、典型的な因果応報物語。憂鬱な序盤と打って変わり、中盤以降は物語に引き込まれました。ラストは幸せな気分になれる読了感の良い終わり方。なお、著者は女性です。オースティンやブロンテ姉妹同様に、19世紀のイギリス女性作家が直面した、男性...
「蒔かれた種子は、その種類に応じた実を結ぶ」という、典型的な因果応報物語。憂鬱な序盤と打って変わり、中盤以降は物語に引き込まれました。ラストは幸せな気分になれる読了感の良い終わり方。なお、著者は女性です。オースティンやブロンテ姉妹同様に、19世紀のイギリス女性作家が直面した、男性より低い地位に見られる傾向から、男性名で出版されました。 物語は、機織りで生計を立てるサイラスの話しと、村の郷士の息子であるゴッドフリーの話しが交互に語られます。 サイラスはランタン・ヤードという町に育ちましたが、親友に裏切られてラヴィロー村に都落ち。その村人と親しくなるでもなく、機織りで稼いだ金を毎晩眺めるのを唯一の楽しみとして、まるで隠者のような暮らしぶり。 一方、サイラスが移り住んだラヴィロー村では、キャス郷士の長男ゴッドフリーが、ある問題に悩まされていました。 その問題に付け込んだ、キャス郷士の次男ダンスタンによって、何の関わりもなかった二人の運命が交錯していきます…… 友人に裏切られ、心を閉ざしてしまったサイラスが、最後に得た幸せは心温まるものがありました。孤独だった彼が最悪な事件から立ち直り、次第に村人と打ち解けていく様子や、お金だけが幸せではないと思わせるストーリー展開など好きですね。人生の晩年は、ハッピーに迎えたいものだなと思わされた作品でした。 追記: 訳者は『アルジャーノンに花束を』『くらやみの速さはどれくらい』『闇の左手』『われはロボット』『火星のタイムスリップ』などなど、好きな作品をたくさん翻訳されている方です。本作の訳者あとがきに、『書店主フィクリーのものがたり』を訳したときに、本作が言及されていて翻訳する契機になったことが書かれていました。自分もフィクリーを読んで気になって、本作を積読していましたが、今回読むことができて良かったです。お気に入りの本が増えました。
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「なりたかった自分になるために、遅すぎるなんてことはない」 先日読んだ『夏の扉』がとてつもなく面白かったので、おかわりです ここでハインラインではなく訳者の小尾芙佐さんの方をおかわりするってところがもうセンス! ということでイギリス文学を代表する女流作家ジョージ・エリオットの...
「なりたかった自分になるために、遅すぎるなんてことはない」 先日読んだ『夏の扉』がとてつもなく面白かったので、おかわりです ここでハインラインではなく訳者の小尾芙佐さんの方をおかわりするってところがもうセンス! ということでイギリス文学を代表する女流作家ジョージ・エリオットの名作『サイラス・マーナー』です エリオットの宗教観がどうのとか、彼女の結婚や人生がどうのとか、当時の女性の地位とか時代背景とか、あっしにゃ難しいことはさっぱり分かりませんよ 分かりゃーしませんよ だけどね旦那 正しい心を持った人たちが幸せな結末を迎える 正しくない心を持った人も最後には改心する それだけで十分じゃございませんか それだけで十分人の心を震わせることが出来るんじゃございませんか そしてこういう物語こそ残していかなきゃならないんじゃないですかね 南極の氷が全て溶けても残ってほしい物語でした(いや南極の氷も残ってほしいけども!)
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ヴィクトリア朝を代表する男性名の女流作家ジョージ・エリオットの代表作の一つ。寓話的な物語に心打たれる傑作。 親友と恋人に裏切られ、信仰と故郷を捨てざるを得なくなるサイラス・マーナー。冒頭から悲劇のどん底に突き落とされる展開に引き込まれ、真面目で純朴なサイラスに愛着がわいた。不幸...
ヴィクトリア朝を代表する男性名の女流作家ジョージ・エリオットの代表作の一つ。寓話的な物語に心打たれる傑作。 親友と恋人に裏切られ、信仰と故郷を捨てざるを得なくなるサイラス・マーナー。冒頭から悲劇のどん底に突き落とされる展開に引き込まれ、真面目で純朴なサイラスに愛着がわいた。不幸な境遇ゆえに彼が金貨に執着するようになってしまうのもどことなく共感できる。このまま孤独に人生を終えるかと思われた矢先に起きるサスペンスフルな事件――そこから一気に面白くなってくる。 本作でサイラスの対比となっているのはゴッドフリーだろう。弱点はあるが決して悪人ではない彼の人生の苦悩が、サイラスとは逆の立場から物語の主題に迫っていく。さらに、潔癖なナンシーの家庭生活のあり方が当時の社会通念をよく表現していて、本作の寓話的テーマを陰となって浮かび上がらせている。 寓話的といったが、繊細な心理描写は現代的でもあり、時代的背景もあって、小説として非常に面白い。「めでたしめでたし」で軽くすませられない、ヴィクトリア朝文学ならではの本物の感動があると思う。読後感は最高。
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