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写楽とお喜瀬
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写楽とお喜瀬

吉川永青(著者)

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写楽とお喜瀬

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2019/09/12
JAN 9784140057070

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商品レビュー

3.8

5件のお客様レビュー

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2022/05/21

「世の中、おめえさんが思うほど悪かねえよ」「人って……多かれ少なかれ、誰かに何か皺寄せをしながら生きている気がします」 世間の悪い部分に翻弄される写楽とお喜瀬。特にお喜瀬は心と体の不一致を理解されずマイノリティとして苦しみ続ける。それでも世間は悪い人ばかりではないし、互いに迷惑...

「世の中、おめえさんが思うほど悪かねえよ」「人って……多かれ少なかれ、誰かに何か皺寄せをしながら生きている気がします」 世間の悪い部分に翻弄される写楽とお喜瀬。特にお喜瀬は心と体の不一致を理解されずマイノリティとして苦しみ続ける。それでも世間は悪い人ばかりではないし、互いに迷惑をかけあって生きていくものだとお喜瀬自ら気付き、一方で世間に絶望しかけた写楽を諭すシーンは大きなカタルシスを味わえた。 作者の他の作品とは異なる人情者でこんな作品も書けるのかという大きな驚きがあった。ただ、他の作品でも1人の人物の心情描写は丁寧で今回は2人のみにスポットを当てた関係でより丁寧に心を描けたのだと思う。 今で言うトランスジェンダーを江戸時代に持ち込むのも斬新。当時もこういった悩みを抱えた人物はいただろうし、今と異なり理解されず「下手物」と扱われてきただろうといあことは容易に想像できる。それでも上記に書いた通り、当時にも十郎兵衛や井上夫妻のような人がいたのであれば嬉しいが。

Posted by ブクログ

2020/09/18

絵師の写楽の正体はよく判らないが、本作の作者は最近の研究で有力視されている「斎藤十郎兵衛説」を採って、それに依拠しながら物語を展開している。斎藤十郎兵衛がどういう経緯で絵を描くようになって行くのか?何を思って絵を描き続けようとしたのか?そういう物語だ。 正体が必ずしもよく判らない...

絵師の写楽の正体はよく判らないが、本作の作者は最近の研究で有力視されている「斎藤十郎兵衛説」を採って、それに依拠しながら物語を展開している。斎藤十郎兵衛がどういう経緯で絵を描くようになって行くのか?何を思って絵を描き続けようとしたのか?そういう物語だ。 正体が必ずしもよく判らない江戸時代の絵師を主人公とした物語ではあるが…或いは「人ならではの営為」である、例えば絵を描くというような“創作”に向かって行く「人を人たらしめている何か」というようなことが語られている物語というような気もした。更に、斎藤十郎兵衛や一部の他の作中人物達が「世間の主流を外れてしまったような作中人物に向ける温かい眼差し」、「“それはそれで構わないのでは?”と受容れる寛容さ」というようなことも「人を人たらしめている何か」というようなことに通じるかもしれない。 「何となくの出会い」という作品だったが、出くわして善かったと思える一冊となった…

Posted by ブクログ

2020/06/07

人間の本質を突くような心理描写が良く描かれている。 この作品は、好き嫌いというか、本質的(本能的?)に嫌悪感を抱いてしまう人もいるのかも。

Posted by ブクログ

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