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日本の伝統楽器 知られざるルーツとその魅力 シリーズ・ニッポン再発見11
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 2019/08/16 |
JAN | 9784623087372 |
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日本の伝統楽器
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本書で取り上げられる楽器は、三味線、琵琶、琴、尺八、笛・太鼓。 著者の若林さんは、邦楽というよりは世界の民族音楽を研究している人とのこと。 取り上げられるすべての楽器について、世界の同類の楽器(弦・管・打楽器)との比較の中で、特徴が語られており、なるほど、こういう経歴の方ならでは...
本書で取り上げられる楽器は、三味線、琵琶、琴、尺八、笛・太鼓。 著者の若林さんは、邦楽というよりは世界の民族音楽を研究している人とのこと。 取り上げられるすべての楽器について、世界の同類の楽器(弦・管・打楽器)との比較の中で、特徴が語られており、なるほど、こういう経歴の方ならではの貴重な知見が示されていると思う。 特にそれがよく表れているのは、世界の民族音楽のリズムを分類したくだりだ。 ここは著者の持論だそうで、中央インドを境に東西でリズムサイクルが異なるそうだ。 (この間『ヒット曲のリズムの秘密』で読んだキューバのクラーベの話もここで出てきた。) 西のリズムはリズムサイクルの終わりに低音が来ることと、最短で二小節のリズムサイクルが不可欠であることが特徴であるとのこと。 これに対し、東では低音がリズムの区切りにはならず、リズムサイクルさえないものもあるという。 こんなことを知ると、自分でもいろいろ聞いて確かめたくなってくる。 筆者自身がいろいろな図像を模写して示していることから、過去の奏法がどんなふうだったか想像させられる。 琴を大道で演奏するとき、小型のものを立てて(竪琴として)弾くこともあったなどという話が興味深い。 きっと帯のようなもので固定していたのだろうが、どんなものだったのだろうとか、糸を押さえることはどれくらいできたのだろうとか。 なぜ三味線が三本の弦に落ち着いたのかというところも、面白かった。 単旋律の音楽が主流だったアジアでは、四弦にすると、属音も二弦になり、その結果、どちらが基音かわかりにくくなるという話だ。 ただ、三味線などの伝統楽器を手にしたこともなく、ほとんど予備知識もない、という人には、幾分難しいのではないかと思われる。 もちろん、ページごとに注釈があったり、詳しくは何ページへといった注記があって、一定の配慮はされているのだが、ならばなぜ基本的な知識を最初にまとめてくれないのかなあ、と思ってしまう。 例えば、江戸時代の図像で描かれた三味線の糸蔵(糸巻がある)が「後退している」ことを取り上げている箇所がある。 それがどういう意味があることなのかがわからない、ということ以前に、「後」というのは、楽器をどういう向きに眺めたときの「後ろ」なのかが、楽器を持ったこともない人にはいきなりわからないのだ。 それから、ないものねだりで申し訳ないが、三味線の記述に比べ、琴や尺八、とりわけ笛についての記述は少し物足りない気もする。
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