反・経済学入門:経済学は生き残れるか 経済思想史からの警告

有江大介(著者)

• 販売会社／発売会社: 創風社
• 発売年月日: 2019/07/18
• JAN: 9784883522392

商品レビュー

2024/01/05

　経済学のあり方を真摯に考察した著。新古典派の前提を盲信したままでの経済学の数学的な手法の洗練化を批判している。社会科学全般において、過度の実証主義、時にはそこからデータの捏造、剽窃、こじつけが横行している現状を都合の悪い事実として隠蔽している実態がある。また、科学と銘打ってイデオロギーの開陳・流布に躍起になっている学者がいかに多いことか。経済学を学ぶことの意味について考えさせられる。

2020/02/13

経済学は信用されていない。
主流派経済学は、ニュートン力学と似ている。
限界革命のころからは熱力学に似ている。

ミルトンフリードマン「実証経済学の方法論」
アダムスミスは新古典派の父。
労働がAIに変わるのと同時に、現金を使わなくなっている。

スミスの時代は、分配的正義とは生産や身分に応じた不平等が当たり前であった。現代では、分配的正義という言葉は、極端な所得格差は社会的に受け入れられないという意味で使われている。

ワイマール憲法は、社会権を始めて認めた憲法だった。天賦人権思想。
法実証主義とは、法律が付与する力。経済学の成立に関係がある。
ベンサム主義によれば、富の分配には効用がある。

私的利益の追求が社会発展の原動力、しかしそれだけでは富の極端は偏在が生み出されて、社会が不安定になる。

自由貿易の奨励はグローバリズムの原点。
「貧困の終焉」「ファクトフルネス」「フラットする世界」

自国第一主義はグローバリズムの反動。長続きしないのではないか。

科学は、帰納法と演繹法を行ったり来たりして発展する。
しかし、事実やデータは中立的ではない、データの解釈が一義的ではない、モデルプラトン主義に陥りやすい。

プラント主義とアリストテレス主義。

経済学を理解するためには、数学、統計学、ベイズ統計学が必要。

内田義彦「経済学の生誕」「資本論の世界」「社会認識の歩み」
「功利主義は生き残るか」