看取り犬・文福の奇跡 心が温かくなる15の掌編

若山三千彦(著者)

• 販売会社／発売会社: 東邦出版
• 発売年月日: 2019/07/18
• JAN: 9784809416880

商品レビュー

2024/04/19

良かったです。
犬、猫達と一緒に生活出来る老人ホームが舞台です。
私は犬も猫も好きなので読む前から贔屓目で見てしまうかなと思いましたが、職員さん達も素晴らしくてここなら私もいつかお世話になりたい、是非入居したいと思いました。
犬、猫達との入居者さんと職員さん達のお話ですが、お互いが誰かがかけても成り立たない関係。
互いが助け合う、相手の力を信じるってこういう事なのかなと。
羨ましいというのが合っているかは分かりませんが、とても素敵なホームです。

2023/12/28

　横須賀の特別養護老人ホーム「さくらの里山科」…ここは、飼っている犬や猫と一緒に入居できる施設、そして保健所や東日本大震災の被災地から保護した犬や猫と生活をともにできる施設がこの作品の舞台となっています。

　私も高齢者さんの施設入所に関わることもあるのですが、犬や猫を家族のように可愛がっている利用者さん多いですよね…。こちらには、飼っている犬や猫と一緒に入居できる施設はなくて…結局ご家族やそのご家族が預けられる先を探すようになります。ご本人様は施設入居しているも、猫は家にいて近所の人が面倒を見るために毎日訪れてくれるという方も中にはいらっしゃるけれど…本当なら一緒に過ごさせてあげたいですよね…！この作品を読んで、ますますそう思いました。

　この作品の表紙も含めて挿画は、飼い猫と一緒に入居した利用者さんの描いたものなんですって！やわらかいタッチの優しい作品ばかりですよね～！一時期、身体機能が低下し認知症も進行してしまった利用者さん…こちらの施設に飼い猫と一緒に入居してからは精神的な安定が得られたことによって、身体機能も向上したんですって…。タイトルの、看取り犬は、保健所から保護された文福という犬で、入居者さんが看取り期に入ったことを察して、自ら最期まで寄り添って過ごすんですって…。利用者さんの最期の願いを叶えるべく外出するというミラクルプランを敢行できたのは、文福が看取りの行動をしていなかったから…この利用者さんは思い出の場所で懐かしい人との再会も果たせました。

　入居した利用者さんも高齢で一緒に入居する猫も犬も高齢でもあり、保健所から保護するのはなかなか貰い手がみつからない、病気を抱えていたり高齢だったりするので、ずっとずっと一緒にいられるわけではありません。別れは必ず来ます…。虹の橋を渡る…飼い主だった利用者さんと寄り添った猫、犬、天国で再会し、楽しいときを過ごしています、よね…。

2022/08/23

犬や猫と暮らすことが心と体の健康にどれだけプラスになるかが、よく伝わる。このような施設がたくさん増えたら嬉しいし、私も晩年はここで暮らしたいと思った。