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サー・ガウェインと緑の騎士 新装版 トールキンのアーサー王物語
定価 ¥1,760
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2019/07/13 |
JAN | 9784562056736 |
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サー・ガウェインと緑の騎士 新装版
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
トールキンが現代語訳した中世騎士物語「サー・ガウェインと緑の騎士」、長篇詩「真珠(パール)」、ギリシャ神話を下敷きにした「サー・オルフェオ」「ガウェインの別れの歌」収録。 アーサー王宮廷の円卓の騎士の一人で、王の甥でもあるサー・ガウェイン。ある年の新年の宴会に乗り込んできた全身緑色、馬も緑色の騎士、というかほぼ怪人が「わしの首を斧でちょん切れ」と押しかけてきて、アーサー一同びっくりしているところにガウェインが「じゃあ、わたしが」と名乗りを上げて、男が差し出す斧でその男の首を切断!宴会場は阿鼻叫喚の巷でしょうに。ところが、緑の男はちょん切れた首を抱えて、乗ってきた馬に乗って帰ってしまう。「1年後にわしの居所を探して、お前はわしにその首を差し出せ」という言葉を残して。これが全くの謎なんだけど、ガウェインはその約束を果たすべく、旅に出るのです。約束の日が差し迫っ2か月前くらいに!なんだよ、夏休みの宿題後回しにする子供かよ! などとツッコミながら読んでしまった私。しかし、それからのガウェインのみに降りかかることが、ちょっと理解不能なので、中世騎士物語は不思議で面白いですね~。これまで「アーサーの死」ブルフィンチの「中世騎士物語」も読みましたが、ちょっと毛色が違う物語でした。がんばれガウェイン!どことなくのんびりした、悲壮感がそんなにないアーサー王の物語です。いかにもトールキンが好みそうだな、と思いました。 「真珠」は若くして愛する娘を失った父親が、娘の魂を真珠になぞらえて、その悲しみを神への信仰を絡めて歌い上げた詩です。「頭韻詩」という単語の頭に韻がくる古英語の詩をトールキンが現代語訳したものを、さらに日本語に訳すというのはなかなか困難なことかと思います。言語の響きを味わってみたくなりますね。 「サー・オルフェオ」は、奥さんを冥府に奪われた竪琴の名手オルフェウスが、奥さんを奪還しに行くギリシャ神話がベースですが、展開はちょっと違います。こういう結末はいいですね! 「ガウェインの別れの歌」は短い詩。オマケみたいなものでしょうか。 読みやすい日本語に訳してくださった山本史郎さんに、感謝です!
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アーサー王のキャメロット城で催されたクリスマスの祝の席に、突如全身緑色の巨大な騎士が現れ、持っていた斧で自分を打て、そしてその後で1年後に同じ攻撃を自分から受けよとアーサー王はじめ円卓の騎士たちに挑戦を持ちかけた。ガヴェインはアーサー王に代わり緑の騎士の首を斧で切り落とすが、騎士...
アーサー王のキャメロット城で催されたクリスマスの祝の席に、突如全身緑色の巨大な騎士が現れ、持っていた斧で自分を打て、そしてその後で1年後に同じ攻撃を自分から受けよとアーサー王はじめ円卓の騎士たちに挑戦を持ちかけた。ガヴェインはアーサー王に代わり緑の騎士の首を斧で切り落とすが、騎士の体は切り落とされた首を持ち上げ「1年後に待っている」と言い残し去って行った。誇り高き騎士ガヴェインは約束を守るため、首を切り落とされに旅に出ることになった。『緑の騎士』ほか3篇。 行けば死ぬとわかっている相手のところに、わざわざ殺されに行くなんてなんて律儀で真面目なんだ! とびっくりしてしまった。己の命より約束を守ること、淑女の願いは断らないこと、貞節を守ること、その他色々な信念が騎士道にはあるようだけれど、この作品の中でその要素同士が衝突し、ガヴェインは何を優先すべきなのか葛藤する。騎士道だけを見ると高潔でとうてい人間離れした話に思えてしまうけれど、この葛藤のお陰でガヴェインはとても現実味のある人間らしい人物として描かれていた。そして、人間らしいからこそ、騎士道を守らんとするガヴェインの高潔さがより際立っていた。一緒に収められている『真珠』は宗教論のようで読んでいて少し入り込めない部分があったので星は3つ。
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