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考古学への誘い 妻木晩田遺跡から学ぶ ゆよい塾講座1
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考古学への誘い 妻木晩田遺跡から学ぶ ゆよい塾講座1

佐原眞(著者)

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考古学への誘い 妻木晩田遺跡から学ぶ ゆよい塾講座1

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 今井出版
発売年月日 2019/06/01
JAN 9784866111612

考古学への誘い

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2020/10/10

「むきばんだ弥生塾」の20年間の講座の中から珠玉の講演録を収めた第一弾。 佐原眞さんは、私を考古学へ誘(いざな)った直接の恩人である。その最晩年の講演録を二本聴けて大満足。佐原さんは「戦争は人間が始めた。人類の歴史から言えば始めたのは直近。人間が始めたのだから人間が終わらすこと...

「むきばんだ弥生塾」の20年間の講座の中から珠玉の講演録を収めた第一弾。 佐原眞さんは、私を考古学へ誘(いざな)った直接の恩人である。その最晩年の講演録を二本聴けて大満足。佐原さんは「戦争は人間が始めた。人類の歴史から言えば始めたのは直近。人間が始めたのだから人間が終わらすことができる」と、日本で初めて学者の立場からハッキリ言ってくれた人だった。その言葉に感動して、私は、縄文でも古墳時代でもない、戦争を始めた弥生時代を中心にして、考古学を学んでいくことを決めた。 99年、当時としては日本最大の弥生の国邑妻木晩田遺跡の国指定化が決定し、その勢いのまま、99年の8月、鳥取県米子市の講演で初めて佐原眞さんの声を聞いた(記録を紛失しているので大体の記憶を頼りに書いている。間違っていたならごめんなさい)。笑いが絶えず、しかもとても興味深い内容で一気にファンになり著書を読み漁った。99年9月にむきばんだ弥生塾開講。その1番バッターとしての講演を此処に載せている。2001年8月、また大きな記念講演が米子市であり、私は2時間以上かけて中国山地を越えた。佐原眞さんは短い講演をしただけであり声も張りがあって元気そうだったのだが、その姿を見て胸が潰れた。膵臓癌の闘病で別人かと思うほど痩せていたのである。表紙の写真がそうだ。本来は恵比寿さまのようにふくよかだった。2002年に泉下の人となる。最後まで妻木晩田遺跡をはじめとする遺跡の保存活用に生命を削って助力した人だった。 金関恕さん(故人)も、初代むきばんだ弥生塾塾長として助力を惜しまなかった人である。講座ブックレット第一弾としては、最良の人選だと思う。 当時(たぶん今も)考古学の講座は、ちょっと勉強した者しかついていけない専門用語が横行していた。佐原眞さんは、「むつかしいことをわかりやすく伝える」ことを考古学会に広めた張本人である。博物館も、地域の文化発信施設として、わかりやすさに務めた。そして金関さんは、橋下大阪府知事が大阪府立弥生博物館の閉館を画策していたときに、それを阻止させた意義についても語っている。貴重である。 以下はマイメモ。 佐原眞。 〈古代人の心に触れる実例〉 ・赤ちゃんの手形の粘土版の裏に、大人の指の跡が残っていた。どれくらいの「力の加減」したかを見ることで、赤ちゃんへの心がわかる。 ・縄文中期の土器のカケラに裏から孔を開けようとして、表の帯があり途中止めにしている。4000年前の「しまった!」がわかる。 ・奈良時代の瓦職人は、軒丸瓦を現在とは違い人に見えない所も飾っている。 〈倭人の弓について〉 ・弥生時代以降の弓は、「短下長上」。根っこ部分を下にして梢を上につくる。弾性の関係で中央より下で弓をつがえる。しかし、アイヌ、沖縄は仕掛け弓の関係で中央につがえる。中国もそれ(弩)。英語もクロスボウ(十字架弓)なので中央。しかし日本は現代までこの作り方。←もしかして、日本史上大量殺人を伴う戦争は信長の長篠の戦い以前まではなかったので、発達しなかったからかもしれない。 ・竹の矢柄は、九州山陰では使われていた。 ・骨の矢尻は、石矢尻よりも強力で鉄以外の甲を通す。 〈食べ物について〉 ・日本の食習慣は世界的にも異常。血をほとんど食べない。イスラム教・ユダヤ教は神聖だから食べないが、日本は汚いと思うから食べない。 ・動物脂を食べないのも、世界的に珍しい食習慣。 〈皇族の民俗学的研究を進めて欲しい〉 ・奈良時代のことがいまだに生きて行われている例がある。 金関恕さん 〈都市の定義を巡って〉 ・ハードだけでなく、ソフトを考える必要。 中国の春秋時代、古代メソポタミア、ハンムラピ法典、旧約聖書、コーランにも、プラトン「プラタゴラス」にも、「寡婦・孤児のような社会的弱者に援助を」が描かれている。 妻木晩田遺跡が、ハードが揃ってもやがて衰退したのは、ソフトが揃わなかったからかもしれない。 〈遺跡・博物館はなぜ必要か〉 ・「ただそれを楽しむというだけのものではなくて、絶えず疑問を持ち、あるいは悩みを抱えながら、そういう施設に相談し、そういう遺跡に相談しながら、自分のあり方というものを考えていく。そういう存在になって欲しい」 ※今井出版は、鳥取の代表的な地方出版社である。昨年第一弾が出て、まだ第二弾が出版されていない。応援したい。

Posted by ブクログ

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