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三河吉田藩 シリーズ藩物語
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 現代書館 |
発売年月日 | 2019/07/06 |
JAN | 9784768471531 |
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三河吉田藩
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
(借.新宿区立図書館) 我が家の先祖が三河吉田藩管轄の新居関所初代?者頭となっていたことがわかり興味が出てきたので読んだもの。ただし新居関(今切関所)については数ページの記載のみで、かなりの部分が大河内松平家時代の記述。ただ周辺の状況など含め一応理解できた。
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・例の藩史のシリーズ、やつと三河吉田藩が出た。久住祐一郎「三河吉田藩」(現代書館)である。どのやうな人がこれを書くのかと思つてゐた。愛知大学(綜合郷土研究所)関係の人か、豊橋美術博物館関係の人か、あるいは私の知らない組織の人か、 全くの個人か。さうして出てきたのは美博の職員であつ...
・例の藩史のシリーズ、やつと三河吉田藩が出た。久住祐一郎「三河吉田藩」(現代書館)である。どのやうな人がこれを書くのかと思つてゐた。愛知大学(綜合郷土研究所)関係の人か、豊橋美術博物館関係の人か、あるいは私の知らない組織の人か、 全くの個人か。さうして出てきたのは美博の職員であつた。前職は二川本陣資料館職員だから、結局は市の専門職である。しかもこの人は「三河吉田藩・お国入り道中記」の著者であつた。本書の「あとがき」に、「新潟で生まれ、岡山で学生時代を過ごした私が、縁あって豊橋に移り住んでから十年が経とうとしている。」(204頁)とある。ともに豊橋所縁の地と言へば言へるさうである。歴史に土地勘やお国訛りは不要であらう。史料とそれを読む力が求められる。さうしてできたのが「お国入り道中記」であつたか。これはおもしろかつた。あくまでも資料に基づきながら、参勤交代を活写してゐた。参勤交代があのやうなもの であるのを初めて知つた。あのやうな史料が今まで使はれてゐなかつたらしい。まだまだ眠つてゐる史料は多いといふことであらう。もしかしたらそんな史料が使はれてゐるのかと思つて本書を読んだ。結果は、よく分からない、いや全く分からなかつた。しかし、それはまあ関係ないかといふことで……。 ・本書は藩史である。従つて藩以前は短く、戦国時代から始まる。池田輝政以前と以後である。輝政はその後の吉田城の基礎を作つた人である。「吉田城は、輝政時代に石垣と瓦葺の建物を兼ね備えた近世城郭へと変貌を遂げた」(15頁)といふ。また、豊川の土橋を板橋に造り替へた。それで船町ができ、「人や物資を運ぶ拠点として賑わ」(同前)ふことになつた。輝政は様々なことを行つた。「在城十年という短期間であったが、その後の吉田が城下町・宿場町として発展 していく礎を築いた。」(17頁)これに対して吉田藩の終はりを私は知らない。最後の藩主は松平信古であつた。ノブヒサと読む。この人は松平とは血縁関係のない越前鯖江藩主の二男であつた(160頁)。信古時代にはいろいろなことがあつた。異国船来航、安政の大地震、ええじやないか等々、大きな問題ばかりである。ええじやないかの評価として、民衆の不安や不満の「ガス抜きと富裕者に対する富の再配分を要求したのが、吉田周辺で起こった『ええじゃないか』の目的であった。それを強く求める若者組の存在を抜きにして、この騒動を語ることはできない。」(180頁)とある。ここに若者組が出てくる。さうか、若者組、若衆組が関係してゐたのかと思ふ。お札降りによる混乱、狂乱の中心にあつたのは若衆組であつたのか。幕末といへど若者は多い。若者は今も昔も変はるまい。神職のネットワークより行動力と実行力はありさうである。若衆組がおまつりや民俗行事だけでなく、このやうに社会を動かす存在であつたらしいことが楽しい。無責任な言ひ方だが、若衆宿で育まれた団結がここで生かされたのである。この三河吉田でそんなことが行はれたといふのは、私には慶賀すべき事態に思へるのである。ただし、その間にも藩主は苦労してゐた。信古は大坂城代であつた。鳥羽伏見の戦ひの結果に驚いて吉田に逃げ返り、藩内でももめたが、結局は新政府に恭順する。かうして明治に入つていく。これが完全に勤王と佐幕の間に埋もれてゐるやうに思へる。そこからわずかに漏れ出したのがええじやないかであつたのかもしれない。三河吉田藩といつても関係もなく関心もない人が多さうである。私は関係がある、たぶん。だから読んだ。このシリーズはさういふ人のためのものであらう。それでも近くの藩が出たら読まうかと思ふ。
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