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アベル・サンチェス ルリユール叢書
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アベル・サンチェス ルリユール叢書

ミゲル・デ・ウナムーノ(著者), 富田広樹(訳者)

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アベル・サンチェス ルリユール叢書

定価 ¥3,300

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻戯書房
発売年月日 2018/06/26
JAN 9784864881715

アベル・サンチェス

¥2,475

商品レビュー

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2021/06/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

訳が良かったのか、登場人物が少なかったのがわたしに優しかったのか、意外なほど読み易かった。 アベルの作中作品のテーマとして聖書のアベルとカインの物語も登場し、物語中の会話で適度に解説を加えてくれているので、この辺の素養が全くないわたしでも対比がよく分かった。 読み進む上で難解な箇所はほとんどなく、本当に読み易かった。 ホアキンの死後に見つかった、娘に宛てた告白文を引用しながら、彼の人生を紹介するという体の物語。 ホアキンは、兄弟のように育った親友のアベルがいる。少年時代から競うようなところがあったが、気になっていた女性をアベルが奪うような形で結婚してしまったことが決定的となり、生涯にわたってアベルへの嫉妬に悩まされることになる。 アベルは画家、ホアキンは医者として成功を収めるというのに、一向に癒されることがない。もしかしたらアベルの側も。。。 易しかったとはいえ正しく読解できているのかはまた別問題のようだ。ちょっとホアキンの身勝手ぶりが理解を超えていて、ドン引くばかりだ。 愛情が分けられないから子供は1人でいいとなどい言う、娘が修道女になると言い出すまで思い詰めさせる、その娘を泣き落としで思いとどまらせたのに、病むほど嫉妬している親友の息子と結婚させる。孫がアベルに懐くのが許せない。とどめに、いまわのきわで妻のアントニアに「実は愛してなどいませんでした」などと言い出す。 ホアキンの病的な嫉妬の病的さを示すにはあまりに周りを振り回していて、彼の病気について思いを馳せる暇がない。 それでもこの小説は最後まで読ませる力がある。読み返すことはないだろうが、今後何度も思い出すことになりそうだ。 思えば彼らの孫まで登場していると言うのに、彼らが育った家庭の両親について全く触れられていないのは少し不自然に感じる。

Posted by ブクログ

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