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アードルフ・ヒトラー:独裁者の人生行路
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アードルフ・ヒトラー:独裁者の人生行路

トーマス・ザントキューラー(著者), 斉藤寿雄(訳者)

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アードルフ・ヒトラー:独裁者の人生行路

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 現代書館
発売年月日 2019/06/01
JAN 9784768458143

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2020/08/17

 アドルフ・ヒトラーの全生涯をまとめた評伝。内容はドイツにおける現在の研究水準の最大公約数と言える(いくつか?な箇所はあるが)。ナチス時代を知らない若い世代を想定読者とした一般書であるため文章は簡潔で読みやすいが、その代償として注記がない。「公的」な履歴のみならず、私生活にも深く...

 アドルフ・ヒトラーの全生涯をまとめた評伝。内容はドイツにおける現在の研究水準の最大公約数と言える(いくつか?な箇所はあるが)。ナチス時代を知らない若い世代を想定読者とした一般書であるため文章は簡潔で読みやすいが、その代償として注記がない。「公的」な履歴のみならず、私生活にも深く立ち入る一方、近年のドイツでの排外主義の台頭やヒトラーの「ポップカルチャー化」への危機意識を反映し、彼の非人間性、特にホロコーストに対する決定的責任を具体的に詳述している。ドイツのナチス・ヒトラー研究全般の傾向として、ヒトラー独裁成立を避ける可能性(特に1930年代初頭の党派間駆け引きにおける「if」の設定)を具体的に検討しがちだが、これはある意味で「ヒトラーのいないファシズム」国家や軍部・帝政派・保守派による権威主義国家なら、少なくともユダヤ人虐殺と大戦はなかったという観測を前提としている。本書もそうだが、反ユダヤ主義の過激化に「ヒトラー以外のトリガー」が本当になかったのか、ナチスと他の権威主義派との「距離」がそこまで決定的にあるのか、ヒトラーの特異性に対するドイツ社会の拘束力をもう少し検討して欲しいと思った。

Posted by ブクログ

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