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一九四四年の大震災 東海道本線、生死の境 十津川警部シリーズ 小学館文庫
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一九四四年の大震災 東海道本線、生死の境 十津川警部シリーズ 小学館文庫

西村京太郎(著者)

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一九四四年の大震災 東海道本線、生死の境 十津川警部シリーズ 小学館文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2019/06/06
JAN 9784094066432

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2019/10/07

〇現代に自殺を遂げたフジタ家の末裔の抗議の死。表現の自由を訴える作家の矜持もうかがえるか フジタ浜名湖地震津波研究所が焼けた。夫・武の決意の自殺に気づいた美里は、夫が引き継いだ武の祖父・徳之助の告発文を読み始める。 藤田家は、先祖代々浜松に根を下ろしもともとは魚を大名屋敷に届...

〇現代に自殺を遂げたフジタ家の末裔の抗議の死。表現の自由を訴える作家の矜持もうかがえるか フジタ浜名湖地震津波研究所が焼けた。夫・武の決意の自殺に気づいた美里は、夫が引き継いだ武の祖父・徳之助の告発文を読み始める。 藤田家は、先祖代々浜松に根を下ろしもともとは魚を大名屋敷に届ける仕事だったが、戦争になってから、その運命は変わることとなる。 祖父・徳之助のころは、ときは太平洋戦争。船が徴収されたときと前後して水産加工会社を作るも、それも国に軍需工場として買収される。 ちょうど時を同じ折、静岡県沖にやってくる地震や津波について問題意識を持っていて「フジタ浜名湖地震津波研究所」を建てることとした。 徳之助は研究所での成果をふまえ、住民へ津波・地震に関する啓もう活動を行うが、しかし、徳之助は軍部から活動を停止させられた。それに反発した徳之助や、武の父に当たる健太郎は、必死に街の様子を記録し続ける。 「現代の科学」という雑誌に考えが掲載できることになった徳之助。では、なぜ武が引き継ぐような告発文を書かざるを得なかったのか?? *** 表紙には「十津川警部シリーズ」と書いてあったが、一行くらいしか十津川警部の文字は見当たらない。 ほとんどが、美里が読んだ告発文ーー武、健太郎、徳之助が守り続けたーーの内容を語りだす形式で話される。 筆者として、文化人として、あるいは文学に生きた人間として、あるいは戦争を生きた人間として、書かざるを得なかった、おそらく書きたかったではなかったのかもしれないテーマだったと思う。 戦時中における文学・報道表現は、戦意喪失の名のもとに著しき規制が敷かれた。わたしの知っている限りでも、芥川賞作家の石川達三『生きている兵隊』は、まさにその一例だと思っている。(もっと有名な人もいるのだと思うが、個人的な興味があり最もはやう触れた当時の文学がこれだった) そのようなことを思い返しながら、筆者はフジタの名を借りて表現したのだとも思う。 フジタ一家が実在していたとしたら、あの時代にあって、体制に屈せず、人々を救うことだけを信じ続けて地震・津波の怖さを唱え続けた勇気に敬意を表したいと思う。

Posted by ブクログ

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