三流の維新一流の江戸 明治は「徳川近代」の模倣に過ぎない 講談社文庫

原田伊織(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2019/05/15
• JAN: 9784065155585

商品レビュー

2024/09/23

たしかに教科書で習った江戸というのは士農工商、悪代官、参勤交代に鎖国、天保の飢饉やらなんちゃらの乱、キリシタン弾圧に生類憐れみの令、なんて負のイメージを強く持たせるようなことばかりだった。だから、平和が長年続いたことだって、ペリーの乗った黒船が来る前に既に外交に取り組んでいたことだって闇に葬られていたし、その重要性と後世に活かすヒントも全て自ら歩みに行かなければ取りにいけないものになっていた。
薩長史観に未だ囚われている日本は、いつになったら日本として本当に自立した国家になることができるのであろうか。江戸の精神に立ち返ることによって、西欧かぶれの行き詰まった資本主義的思想から脱却できるのであれば、それこそ我ら日本人の中に眠るDNAを呼び起こす必要があるのではなかろうか。でも、そんかことを声高に叫んでしまったら、150年で蔓延ってしまった空気感と日本で長年醸成された悪い意味での空気感が合わさった異臭の放つ社会では、異常者扱いで後ろ指刺されるんだろうな。
あと、教科書でどうしても理解ができず、すーっといかなかったのは捻じ曲げられた歴史だったからなんだろうな

明治、日本文化破壊時代
大正、西欧文化普及時代

日本の近世は江戸

羅生門、黒澤明
日本の映画を一番蔑視していたのは日本人

日本人のDNAに西欧崇拝を刷り込んだのは、俗に明治維新と言われるクーデターで政権を簒奪した薩摩長州勢力で、昨夜まで尊皇攘夷を訴えていたのに、夜が明けた瞬間に徹底した欧化主義に走って卑しいまでに日本的なものを侮蔑して、西欧を丸ごと崇拝した。

元和偃武
平和を持って武を伏せる

江戸の識字率75％
大英帝国25％

水野忠徳
幕末通貨交渉
小野友五郎
咸臨丸航路計算

柘榴坂の仇討　浅田次郎
なくしてならぬものをなくさぬのも、文明というもの

正義の価値は時代によった変わる
歴史の評価は100年経たないと定まらない

極東委員会の下部組織がGHQだが、日本の占領を執行したのはGHQ。連合国軍最高司令官はマッカーサーで、なぜかGHQのボスにもなっている。マッカーサーの前任者は、アイゼンハワー。
敗戦を終戦に、占領軍を進駐軍に
アメリカ至上主義

アメリカに占領されていた7年間で米兵に殺された日本人は2500人、強姦された日本女性は20000人で米兵が強姦している現場で日本警察が見張り役をしていた

米兵の犯罪蛮行は検閲指針で守られ、違反すると沖縄での強制労働

近衛文麿は特殊慰安施設協会を設置して、国営の売春宿を設営

小栗上野介が横須賀に建造した造船所がなければ日本海海戦の勝利はなかった

御所の住まいの塀の低さはあまりにも無防備だが、それは政治的権力者でないから
もとから天子様は、古来大和時代から大和民族の象徴

岩瀬忠震、水野忠徳、小栗忠順、川路聖謨、井上清直

幕府は1842年に実質開国した

鎖国という言葉は存在しなかった

1797年以降、長崎出島へアメリカの交易船が来航したのは13回
1846年にアメリカ軍艦二艦が浦賀に来航していて通商を求めたが幕府が拒否

クーデターが成功しなかったから戊辰戦争

赤報隊は利用され捨てられた

廃仏毀釈で僧侶は還俗を強制、虐殺、あえて破戒させる
それをプロパガンダで失態を演じさせた

日露戦争後、政府は学校から神道以外の宗教禁止

家康は国を閉ざす気はなかった
イギリス人オランダ人何某を厚遇したし、浦賀に商館を開設しようとした

戦国時代に捕虜となった百姓をイエズス会に売り飛ばしていた
イエズス会もとよりキリスト宗教が日本を乗っ取ろうとした

江戸の流通
飛脚
五街道
北前船

上下水道
肥溜め
桜の花びらは水質をよくする

徳川の公儀の意識

洒落のめす

全ては天の営み、やれることはやるけど天命に任せる

足るを知る

シンプルに

自然が人間を支配している

2020/09/21

成長前提の資本主義には限界がみえるものの、それに代わるしくみを構築できずにいます。そんな中、日本の江戸時代が注目されているそうです。