中国S級B級論 発展途上と最先端が混在する国

高口康太(著者), 伊藤亜聖(著者), 水彩画(著者), 山谷剛史(著者), 田中信彦(著者)

• 販売会社／発売会社: さくら舎
• 発売年月日: 2019/05/11
• JAN: 9784865811964

商品レビュー

2021/11/03

それぞれの章の著者を個人的になんとなくフォローしていることもあり、購入。なんとなくフォローしているという意味では、あんまり目新しい話はなかったが、実際数年前に北京に居た身としても、色々と再確認できるところが多かった気がする。
確か著者のうちのどなたかか、近しい人がTwitterで既に内容が少し古くなっているといったことをコメントしてた気がするが、相変わらず中国の変化のスピードは早いようだ。

P.39
日本だとストライキで自分に迷惑がかかるとなれば、怒り出す人が大多数だが、中国では虐げられた人々が正義を求めた行動ならば仕方ないと理解を示すことも多い。

P.158
日本人がモノづくり気質なら、中国人は商売人気質だ。中国人はITでいかに金を稼ぐかを、日本人は製品の質や細部にこだわることの大事さを、メディアや実生活を通じてそれぞれ刷り込まれていく。

P.216
ユニクロは低価格帯の商品よりは高いが、圧倒的に品質がよいというポジションを確立し、2000年代後半から急成長した都市のホワイトカラー層の強い支持を得た。要するに、圧倒的にコスパが高い。「おしゃれは求めないが、”まともな”ものを着たい」そういう普通の人々のニーズに合致したのである。（中略）
特定のパートナーと長期間の関係を結び、どのようにして、できる限り高品質な服を、可能な限り低い価格で、圧倒的に速く、大量に作るかに時間をかけて取り組む。（中略）
ユニクロは工場と素直に話し合い、「お互いに儲ける」という原則を守り、長期的に両者がノウハウを蓄積し、ともに成長力を高められる方法を模索してきた。
それを20年以上もつづけてきたので、ユニクロのパートナー工場の生産力は質の面でも量の面でも、軒並み世界最高レベルに達している。だからこそ高品質で、相対的に低価格の商品を、大量に、速く世界に供給することができるようになった。パートナー工場の中には世界最大級の規模に成長し、オーナーは大富豪になった人が少なくない。

2021/03/24

中国の先端と遅れている部分をS級とB級という表現に例えて非常にわかりやすく伝えられている。新しいアイデアやサービスを即実装し、試行錯誤しながらアップデートしていくという部分は、日本が過度に完璧を求めて追随できていない部分であり、中国を正しく認識しておく必要がある。

2019/07/18

何と言ってもTwitterでの中国政治ウォッチャーとして著名な水彩画さんが初めて商業デビューした一冊という点が、記念すべきポイントでしょう。