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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 明石書店 |
発売年月日 | 2019/04/01 |
JAN | 9784750348148 |
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見えない性的指向 アセクシュアルのすべて
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見えない性的指向 アセクシュアルのすべて
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商品レビュー
4.5
8件のお客様レビュー
分かりたい、と思って。つらい思いをさせたくないし、傷つけたくないから。 性的興奮と性欲と性的に惹かれることは、それぞれ別のことだ、って今まで考えたことなかった。全部ひとまとめにしちゃってたと思う。恥ずかしいからってこともあるけど、雑だった。アセクシュアルについて考えたことで、性...
分かりたい、と思って。つらい思いをさせたくないし、傷つけたくないから。 性的興奮と性欲と性的に惹かれることは、それぞれ別のことだ、って今まで考えたことなかった。全部ひとまとめにしちゃってたと思う。恥ずかしいからってこともあるけど、雑だった。アセクシュアルについて考えたことで、性的指向のグラデーションについても考えた。コミュニケーションって、大事だよね。私と誰かは、同じに見えても、違うんだ。 自分は周囲と違うようだ、と気づいた人は、いろいろ色々、考えるんだろうな。それを生きづらさにさせたくない、から私も考える。 私にできることは、認めること、受容すること、信じること。
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ジュリー・ソンドラ・デッカー著、上田勢子訳『見えない性的指向アセクシュアルのすべて:誰にも性的魅力を感じない私たちについて』(明石書店) 2019.4発行 2020.1.5読了 近年、日本においてもLGBTという言葉が浸透しつつあるが、アセクシャルという言葉を見聞きしたことの...
ジュリー・ソンドラ・デッカー著、上田勢子訳『見えない性的指向アセクシュアルのすべて:誰にも性的魅力を感じない私たちについて』(明石書店) 2019.4発行 2020.1.5読了 近年、日本においてもLGBTという言葉が浸透しつつあるが、アセクシャルという言葉を見聞きしたことのある人は少数であろう。もともとこの本を手に取ったのは、川上弘美さんの『センセイの鞄』を読んで、月子さんはノンセクシャルかもしれないと疑念を抱いたのがきっかけだった。他人に恋愛感情(ロマンス)を抱くが、性的感情(セックス)を抱かない人をノンセクシャルと言う事以上の知識を持ち合わせていなかったが、本書を読んでほんの少し理解できた。「ほんの少し」と控え目に表現したのは、アセクシャルという性的指向の奥行きの深さと難解な専門用語の豊富さに、正直心がまごついてしまったからだ。 本書によると、私がノンセクシャルとして理解していた定義は、ロマンティック・アセクシャルに分類されるらしい。そして、他人に恋愛感情も性的魅力も感じない人のことをアロマンティック・アセクシャルと言い、その中間にはグレイロマンティック・アセクシャルというラベルも存在する。これは恋愛感情(ロマンス)を基準にした分類方法だが、一般的に「アセクシャル」と言う場合、他者に性的に惹かれないことを指し示す。アセクシャルの対極にいるのが「セクシャル」で、これは単純に他者に性的魅力を感じる人を指し示すので、異性愛者や同性愛者、両性愛者もセクシャルに分類される。さらには、アセクシャルとセクシャルの中間という意味でグレイセクシャルという概念もあり、他者に時折性的魅力を感じるという人々も存在する。つまり、ロマンスもセックスもオールオアナッシングではなくて一つのスペクトラム上に分布しているものであり、ロマンス=セックスという単純な方程式で人は成り立っていないという、人間のバリアントの豊かさを示してくれる良い例だと私は理解した。セックスを前提にしたロマンス、あるいはロマンスを前提にしたセックスというものは、本来、全く別問題のものであるが、現代のセクシャル中心社会では、ロマンスとセックスは切り離せないものとして理解され、その前提の上で一夫一妻制が採用されている。パートナーになれば当然の権利あるいは義務としてセックスできるという暗黙の合意が包含されている。誤解されがちなのは、アセクシャルは宗教上の理由でも、お高くとまっているわけでも、病気でも障害でもないということだ。アセクシャルは「誰にも性的魅力を感じない」という性的指向の一つであり、先天的なものである。モテない理由をアセクシャルだからと言い訳しているわけではないし、過去に嫌な性虐待を受けたわけでもない。他者に性的魅力を感じないというだけで、性的興奮や性欲は全くノーマルだ。この点は私たちセクシャルな人間には理解に苦しむところだが、例えばヘテロロマンティック・セクシャル(異性愛者)の人が同性に性的魅力を感じなかったとしても、だからといって性的な障害を持っているわけではないのと同様だと言えば多少は理解できるかもしれない。 また、アロマンティック・アセクシャルの人は、性的でロマンティックな魅力を除いた多くの魅力を、人から発見する能力に長けているのかもしれない。美的、感覚的、知的、様々な感情的な魅力を、激しく、深く、多面的に理解し、いわゆる「ただの」友達関係以上の強い絆がそこに生まれるのかもしれない。ロマンティック・アセクシャルの人は、自分の恋愛感情を、いわば性的衝動のようなものだと表現する人もいるそうだ。セックスを伴わない恋愛なんて未熟で「本物の愛」ではないと言われることが多いので、むしろ、アロマンティック・アセクシャルよりも理解に苦しむかもしれない。しかしながら、恋愛感情はなくとも「本物」のセックスはできるのに、セックスを渇望したり行ったりしないと愛情が「本物」とみなされないのはなぜだろう。人目をあざむく何かが巧妙に隠されているような気がしてならない。この分野は哲学や文化人類学、生物学の観点からもっと掘り下げられていいような気がする。 最後に、この本の著者は米国在住のおそらくは白人種の方と思われるが、この本で書かれている内容と日本人の恋愛観・結婚観が一体どの程度マッチングするのか疑問だった。少なくとも日本は、欧米ほど性にオープンではないし、むしろ隠す傾向にあると思うが、日本人の特性に応じた科学的調査を待ちたいと感じた。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/029639442
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なかなかひとを特別好きになれず悩んでいて(嫌いであるということではないです。みんな友達になりたい)、ふっとアセクという言葉を思い出した。しまなみ誰そ彼という漫画で知った言葉だった。 この本を読んで、恋愛感情の有無と性的指向は分けて考えていいんだということ。アセクシュアルは性的指向...
なかなかひとを特別好きになれず悩んでいて(嫌いであるということではないです。みんな友達になりたい)、ふっとアセクという言葉を思い出した。しまなみ誰そ彼という漫画で知った言葉だった。 この本を読んで、恋愛感情の有無と性的指向は分けて考えていいんだということ。アセクシュアルは性的指向が白紙であるということを知った。 特に、誰にも恋愛感情を持たないことを表す「アロマンティック」という言葉に出会えたことがすごくすごく良かった。 まだ結論を出すには日が浅くて、クエスチョニングを選択したいけど、もし、自分の中に恋愛感情が存在しないとわかっても、それを示す言葉がこの世に存在するというのは、こんなに安心できるものなんだと。言葉があるくらいには、自分の状態は世の中にあり得ることなんだと。 ずっと、何でお前はみんなと同じことができないんだと自分を責めていたのが、少し落ち着いたような気がする。 この先もしかしたら誰かを好きになれるかもしれない。でも、今この本を読めて良かったと思う。 ただ、文章中に出てくる「性的魅力を感じる」があまりよく理解できなくて読みとくのに時間がかかった。多種多様な表現になるから不可能に近いとは思うが、「恋愛として/性的に惹かれる」感覚の一例があれば良かったなと思う。
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