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ブルガリア悠久の時を刻む Kan Kan Trip
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
発売年月日 | 2019/04/17 |
JAN | 9784863853584 |
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
ほんの短い時間だが、先日ブルガリアの方とお話しする機会があった。時間の都合上お国のことはあまり伺えなかったが、大好きなお花のことで盛り上がったりして美的センスの高い印象を受けた。 ブルガリアといえばヨーグルトとバラが有名である。特にバラは世界シェアの7割(2019年時点)を占め...
ほんの短い時間だが、先日ブルガリアの方とお話しする機会があった。時間の都合上お国のことはあまり伺えなかったが、大好きなお花のことで盛り上がったりして美的センスの高い印象を受けた。 ブルガリアといえばヨーグルトとバラが有名である。特にバラは世界シェアの7割(2019年時点)を占めており、実際ローズウォーターを聖水として使用する教会も現地にはあるという。 それを聞いて、高度な美的センスはその方に限った話ではないような気がして、本書からヒントを得ることにした。 実は中学校の地理の課題で、ブルガリアについて調べたことがある。 関心のある国を自由にまとめるというもので、当時の自分は誰も選ばなさそうな彼の国に狙いを定めた。資料の数が乏しいせいで苦労するとはつゆ知らず…。 そう考えると、本書は革新的だ。気候や産業・祭事くらいしか得られなかった数十年前とは違い、ここではマーケットやカフェ・お土産屋さん情報まで載っている。旅の会話手帳まで用意してくれていて、そのまま旅行に持って行けそう! 実態は旅エッセイに程近く、著者が辿ったルートが日記のように記されている。行ったことはないけど、傍らの写真に目を移しながら彼女が見た風景を思い描いたりした。(看板の写真にしれっと「キリル文字なので何が書いてあるのか分からない」と注釈を付けていたのには拍子抜けしたけど笑) 旅エッセイ(あるいはガイド本)に収まらず、国史や歴史的建造物についても数多く触れられていた。ローマ遺跡やオスマン帝国時代のモスクが都市に溶け込むように共存しており、リゾート地ヴァルナにはローマ浴場跡までちゃんと残っている。 また歴史博物館や民族博物館は屋敷を改築したパターンのものが多く、建物ごと価値があると言っていい。19世紀豪商の屋敷にあった床下暖房つきの浴室など、展示品以外からも歴史の息吹を感じられる…ってやつ。もう屋内外の写真だけで来館欲(?)がそそられる。 ブルガリアの美しさを最も強く意識したのがバラ祭り。国の中央部に位置するカザンラクという都市で毎年6月に行われており、本書の旅の目的でもある。 ダマスクローズのようなピンク色のドレスに身を包んだバラの女王。(その年に高校を卒業する女子高生の中から選ばれるらしい) 原色ベースの刺繍が美しく施された民族衣装を纏って、軽やかなステップを踏む人々。みんな朗らかに笑っている。 ヴェルサイユ宮殿にあるような華麗なバラ園も良いけれど、産地だからこそというべきか、バラの本当の活かし方を分かっている感じ。芳香と収穫のお祝いムードが、その場にいる全員の笑顔を引き出している。 バラ祭りだけでなく、自然本来の美しさが衣食住に行き渡っていた。西欧のような煌びやかさとはまた違う、身体にやさしい美。先日お会いした方にもそのセンスが継承されていたのだろうか。 「これからもahddamsさんが関心のある国としてブルガリアを見守ってくださいね」 課題にあった先生からのコメントを本格的に守る時が来た。
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ブルガリアという国は、あまりに縁遠く、何も知らない。これほど昔の遺跡が残り、文化を大切にし、風光明媚で祭り等の楽しさに満ちているとは。行ってみたい。でも遠い…。
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かつてイギリスに1点1点職人が色付けして、精巧なミニチュアをつくるリリパットレーンという工房があった。創業当初はコッツウォルズ地方の古民家など作っていたけど、人気がでて、世界中の街並みから個性的な建物のミニチュアを作るようになり、日本でもジブリとコラボして「魔女の宅急便」のグーチ...
かつてイギリスに1点1点職人が色付けして、精巧なミニチュアをつくるリリパットレーンという工房があった。創業当初はコッツウォルズ地方の古民家など作っていたけど、人気がでて、世界中の街並みから個性的な建物のミニチュアを作るようになり、日本でもジブリとコラボして「魔女の宅急便」のグーチョキパン店や「天空の城ラピュタ」のパズーの家なんかも作っていた。残念ながら数年前に倒産しちゃったけど、いまでもコレクターは世界中にいる。 この本で紹介されている街並み写真、建物の写真が、あまりにカワイイ建物が多いので、どれもこれもミニチュアでコレクションしたくなってしまう。ドラえもんの秘密道具でもミニチュアを作れるカメラがあったけど、あれが欲しい。 ヨーグルトと琴欧洲しか思い浮かびなかったブルガリアのイメージが一新した。 場所もろくに知らなかった。ざっくり東欧でしょ?で済ませていた。 ブルガリアはトルコとギリシャの北にある。古代トラキア人のふるさと。なんかミステリアスで強そう。墳墓から発掘された黄金のマスクやリュトン。見たことあるようなないような。記憶が曖昧なのは、たぶんブルガリアと結びつけて見てこなかったせいだ。 宗教は東方正教会。祭壇にはイコン。どうりでカラフルなニコライ堂みたい建物が多いと思った。 食器などの日用品の装飾はシンメトリーな蔓草文様だったり、マーブル文様であったり、精緻なアラベスク風でもあったり。日本の磁器のような花鳥風月の絵柄とは違う。これもコレクター魂に火をつける出来。こっちの端からあっちの端までぜ~んぶ下さい!って言ってみたくなるほど素敵な仕上がり。 スペイン風の街並みもあるし(暑いのかな?)、いろんな文明が交じり合って成熟してきた国なんでしょうね。 特産はダマスクローズでつくる香水などのフレグランス品。著者はバラ祭りの季節に合わせて旅行の日程を組んだらしい。写真からでも十分に華やかさが伝わる。赤やピンクの花々で街中を埋め尽くし、芳醇な香りに包まれて、花の香りのお菓子をいただく。民族衣装で着飾ったお嬢さんたちの踊りや音楽で心を弾ませる。 いいなあ、行ってみたいなあ、おっさんだけど。 ピンクといえば林家ぺー、パーというイメージを一刻も早く自分の頭から追い出したい。 俄然、ブルガリアに興味が湧いてきた。 雰囲気はこの本で大体わかったので、次は深く歴史が知りたい。そのためには文学だ。 どなたか良いブルガリア文学を知っていたら教えてください。
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