〈自閉症学〉のすすめ オーティズム・スタディーズの時代

野尻英一(著者), 高瀬堅吉(著者), 松本卓也(著者)

• 販売会社／発売会社: ミネルヴァ書房
• 発売年月日: 2019/04/12
• JAN: 9784623086481

商品レビュー

2022/03/01

※鼎談は読めてません

重度自閉症当事者の姉＋アール・ブリュットの勉強をしていて、芸術以外の切り口も知りたくて読んでみました。

思考がド文系なので最後2章は難解というかほぼ理解できなかったんですが、実家にいた時は親に「障がいは遺伝という考え方は誰も幸せにしないから捨てなさい」と言われていたので、遺伝学的な研究が進んでいるというのは少し驚きでした。でもまあそういうのをやっている人がいてもおかしくないよねとはおもう。
遺伝学的な研究が進んだら「治す」ことができるようになるのかな。当事者にとっての「障害」なので、本人が楽になるならそれは良いことだとおもう反面、「障がいは個性だ」という考え方とは真っ向から反対してしまうよなあと、、、当事者がもつユニークな感覚も、良くも悪くも変わるだろうし。保護者や本人にとっての選択肢が増えるのだからまあ良い事なのかな。ちょっと考えさせられました。

研究の本。療育の本ではないし、関係者を幸せにするものではないというのには同意です。客観的にASDまわりのことを見ることができる人かつ自閉症にまだ詳しくないという方にはおすすめしたいです。

2019/10/22

自閉症ーオーティズムを、理系、文系、様々な学問分野が自分の専門用語を用いて論じている。個人的に興味深かったのは、精神病理学、哲学、社会学の論考。自閉症を媒介にして、それぞれの学問の新たな可能性させる書籍。少し難しいが一読の価値はある。