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雲をつかむ話/ボルドーの義兄 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2019/04/12 |
JAN | 9784065153956 |
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雲をつかむ話/ボルドーの義兄
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雲をつかむ話/ボルドーの義兄
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商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
初めて読んだ多和田さんの小説。本書には『雲をつかむ話』と『ボルドーの義兄』の二作品が収録されている。 「人は一生のうち何度くらい犯人と出遭うのだろう」との不思議な書き出しで始まる『雲をつかむ話』。ある日、作者の家に「あなたの本を買いたい」と言って男が訪ねてきたが、「プレゼント...
初めて読んだ多和田さんの小説。本書には『雲をつかむ話』と『ボルドーの義兄』の二作品が収録されている。 「人は一生のうち何度くらい犯人と出遭うのだろう」との不思議な書き出しで始まる『雲をつかむ話』。ある日、作者の家に「あなたの本を買いたい」と言って男が訪ねてきたが、「プレゼントなので、それらしく包んでほしい」との依頼に応じるため離れていた間に男はいなくなってしまっていた。それから一年後、一通の手紙が届いた。その手紙には、あのとき自分は警察に追われていて、その後逮捕され刑務所にいる。そして今自分は日本語の練習を始めた、といった内容が書かれていた。 そこから、語り手である作者と色々な「犯人」との出遭いや、「犯人」の印象的な姿が語られていく。 それぞれの挿話が一編の短篇小説のように魅力があるが、小説の終盤、語り手の乗った飛行機、そしてパスポート審査の場面を読んで、そうきたかと唖然となった。
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文章は何か過剰な気がするけど、話は面白かったです。 終盤の主人公(小説家・詩人)と友人(女医)の会話: 「まだベルリンに帰っていなかったんですか。」「わたしも泊まります。」「その必要はありませんよ。風邪をひいただけですから。」「一人でいてはいけません。」「孤独はわたしのテーマじ...
文章は何か過剰な気がするけど、話は面白かったです。 終盤の主人公(小説家・詩人)と友人(女医)の会話: 「まだベルリンに帰っていなかったんですか。」「わたしも泊まります。」「その必要はありませんよ。風邪をひいただけですから。」「一人でいてはいけません。」「孤独はわたしのテーマじゃないんです。」「でも今夜は高い熱が出るかもしれません。」「高熱もわたしのテーマじゃありません。」「さっきからこれもテーマじゃない、あれもテーマじゃないって言っているけれど、それならあなたのテーマは何なんですか。」
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芸術選奨文部科学大臣賞、読売文学賞受賞作が文庫化。 『雲をつかむ話』という表題がピッタリな内容で、捕まえられそうでありながら、手から逃げて行く感じがする。不思議とその惜しいところで逃げられる感覚は『ボルドーの義兄』と読み進めるに従って強くなるのだった。
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