- 中古
- 書籍
- 新書
大阪 都市の記憶を掘り起こす ちくま新書1401
定価 ¥902
220円 定価より682円(75%)おトク
獲得ポイント2P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2019/04/04 |
JAN | 9784480072177 |
- 書籍
- 新書
大阪
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
大阪
¥220
在庫なし
商品レビュー
4.4
8件のお客様レビュー
織田作之助や小野十三郎などかつての大阪を生きた人等の言葉を引用しつつ、平成~明治期まで遡る。 副題通り、掘り起こされる都市の記憶。 梅田の地下で繰り返された排除の皮肉、華やかな内国博覧会の影で生まれた黒門市場、テクノポート大阪の後処理として誘致されたかのような万博2025…時に...
織田作之助や小野十三郎などかつての大阪を生きた人等の言葉を引用しつつ、平成~明治期まで遡る。 副題通り、掘り起こされる都市の記憶。 梅田の地下で繰り返された排除の皮肉、華やかな内国博覧会の影で生まれた黒門市場、テクノポート大阪の後処理として誘致されたかのような万博2025…時に“大人の事情”ともいえなくもない街の暗部があきらかにされる。 現代的な建物が所狭しと建ち並ぶ様は、何も知らなければ洗練された便利な大都会でしかないが、土地の歩んできた歴史を知ると哀愁を感じる。 特に印象的だったのが大阪市の土地信託事業とテクノポート大阪計画。 いずれも失敗に終わり莫大な赤字を生み出した「負の遺産」となり果てたものであるが、私は責める気になれない。 現代の目線で各エリアの特徴を考えると流石に厳しいが、計画当時はまだまだ駅も少なくどのエリアも発展途上で開発次第では住之江に舞い降りるOSAKAの未来もあり得たのではないだろうか。 利権云々もあるだろうが、そこには成功を思い描いて計画に携わった人達がいたのは確かだろう。 来る万博2025も同じことだ。 私は、夢と名付けられながらテクノポートもオリンピックも機会を逃し30年以上も放置された小さな人口島が不憫でならないのだ。 万博、そしてその後のカジノもどうか安全に配慮して大きな成功を収めてほしい。 私が大阪に出てきたのは18の頃、あれから10年以上の時が流れ、キタもミナミも街並みがかなり変わった。 常に工事中の印象が強かった梅田界隈も、いよいよ“関西最後の一等地”うめきた2期区域の完成間近となる。 バイト先に向かうのに毎日通過したアリバイ横丁や泉の広場も今はない。煌々と照明が輝くのに何となく仄暗く薄汚い印象のあった、愛すべきノスタルジアは消え失せてしまった。 梅田も難波も阿倍野も、真新しく綺麗なビルの中に流行の最先端をゆくオシャレな飲食店やショップが並んでおりどこも似たような雰囲気に思える。 だけど、終章の著者の言葉を一部借りると、その地の個性は喪失したわけではないのだろう。 流れる時の中で、居住者や来街者の経験・実践を通じていずれまた、空間の特性が見えてくるのかもしれない。
Posted by
「大阪」という街に折り重ねられている様々な事柄に関して、色々な角度で論じているという内容であり、非常に引き込まれた。見過ごしてしまいそうな様々な事柄を捉えて、新旧様々な事柄を織り交ぜて綴っているのが非常に好い。大変に興味深く読了した一冊だ。 「大阪」の場所に関しては、かなり古い時...
「大阪」という街に折り重ねられている様々な事柄に関して、色々な角度で論じているという内容であり、非常に引き込まれた。見過ごしてしまいそうな様々な事柄を捉えて、新旧様々な事柄を織り交ぜて綴っているのが非常に好い。大変に興味深く読了した一冊だ。 「大阪」の場所に関しては、かなり古い時代からの色々な経過は在るのだと思う。が、豊臣秀吉の時代に起こった街が江戸時代に引継がれ、江戸時代の状況下での展開が在って発展し、明治期に至り、明治期以降の様々な経過を経て最近に至っているということになるのだろう。 この「大阪」に関しては、一般に「キタ」と呼ばれる梅田の辺り、「ミナミ」と呼ばれる難波の辺りと繁華街が在る。こうした繁華街は、江戸時代迄の「街の端の側」であった辺りに鉄道が通って駅が設けられたことを契機に、行き交う人々が増えてサービス等が集積して起こったという一面が在るのだそうだ。 本書では、こういうような「キタ」や「ミナミ」の経過や、街中の様々な場所の経過を説いている。終盤の方では1990年頃の、何となく挫折した感の開発に纏わる話題が詳しい。この比較的新しい時代の話題が興味深かった。 「大阪」に関しては、とりあえず色々と言われている「万博」に向けて色々と様子も変わろうとしている。こういう時期であるからこそ、「色々と折り重ねられ続けた経過」を説くような、こうした本は一層興味深いと思う。 「大阪」に関しては、興味深そうな名所や博物館のような場所、人気の御店等を訪ねるというのも面白いと思うが、敢えてそうせずに漫然と街を歩き廻って、気が向けば適当に飲食を愉しむという程度の過ごし方をするのも愉しい場所であると観ている。そう感じられるのも、本書で説かれているように、様々なモノが過去から営々と積み上げられているからなのであろう。 手を打って大ウケした叙述が在る。新しいホテルが開業するということで、館内サービスの計画として「大阪の食文化を感じられるレストラン」、「大阪の歴史や文化に触れられる」というような文言が挙げられているのだそうだ。著者は「そんなことは街へ出て楽しめば済むことでは?」と言ってみたくなったとしていた。この観方には賛成したい。「大阪」は歩き廻ってみれば、独特な何かが方々で感じられる街で、長く受継がれたモノも新奇なモノも含めて飲食店のサービス等も豊かな地域であると思う。 そして本書は、「大阪」について、または主要な題材の一部として綴られた古い小説やエッセイを適宜引きながら綴っていて、それらが面白い。 何れにしても、少し愉しい一冊に出くわした。紐解けば「大阪…一寸、訪ねてみたい…」という気になる。
Posted by
大阪の近代以降の歴史について書かれた本。 大阪駅の北と南では治安が大きく異なっていた。梅田(埋田)は北でインテリ的、心斎橋等は南。遊郭等の施設があったところは今もあまり治安が良くないという名残が残っている。 ユニバは、もともと重工業地帯であった土地にできたため地盤沈下にら不安が...
大阪の近代以降の歴史について書かれた本。 大阪駅の北と南では治安が大きく異なっていた。梅田(埋田)は北でインテリ的、心斎橋等は南。遊郭等の施設があったところは今もあまり治安が良くないという名残が残っている。 ユニバは、もともと重工業地帯であった土地にできたため地盤沈下にら不安が持たれる。 万博についても触れられており、大阪がいかに文化や歴史を無視した政策をとってきたかを考慮すると上手く行く気がしない。
Posted by