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悪名残すとも 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2019/03/23 |
JAN | 9784041077832 |
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悪名残すとも
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
陶晴賢の一生を題材にした小説。 敬愛していた主君が汚名を残さない為に謀反を起こして自分が悪名を被るという、一見矛盾した動機にも見えるがそこに至るまでの過程を通じて陶晴賢を作者独自の解釈で描いている。また当時の領国経営の実態や家臣団との派閥争いなど合戦以外にも見所が多い。毛利元就と...
陶晴賢の一生を題材にした小説。 敬愛していた主君が汚名を残さない為に謀反を起こして自分が悪名を被るという、一見矛盾した動機にも見えるがそこに至るまでの過程を通じて陶晴賢を作者独自の解釈で描いている。また当時の領国経営の実態や家臣団との派閥争いなど合戦以外にも見所が多い。毛利元就との関係が変化していく様は時代の流れに適応する者とそうでない者の比較になっていたと思う。
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室町の名家大内氏の重臣でありながら、止むを得ず主家を裏切り戦国の表舞台に出るも、かつては盟友であった毛利元就によって儚い命を散らした陶晴賢。 主人であった大内義隆を討ちながらも、養子を立て大内の名の下にいるという、下克上の悪名を背負う事を回避したいというスタンスの陶晴賢と、安芸の...
室町の名家大内氏の重臣でありながら、止むを得ず主家を裏切り戦国の表舞台に出るも、かつては盟友であった毛利元就によって儚い命を散らした陶晴賢。 主人であった大内義隆を討ちながらも、養子を立て大内の名の下にいるという、下克上の悪名を背負う事を回避したいというスタンスの陶晴賢と、安芸の国人から這い上がってきた毛利元就とでは、根本的な覚悟が違ったということか。 しかし、クライマックスの厳島合戦が結構あっさりとしか描かれていなかったのが残念。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大内家に忠誠を誓いながらも国を統治するために主を殺し、然るも大内という旧体制の中で西国支配、果ては天下を狙っていた陶晴賢。史実がどうあれ、勝手に抱いていた自分がのし上がるために礼を無視して上に立った男ではないということはよく分かった。そして、序盤からの毛利元就との太い絆がどう転じていくのが先をめくる手を進ませる大きなポイントだった。 最後にある通り、晴賢が大内に拘ったのは常に天下を見据えていたからかもしれない。旧体制を壊すのは簡単だが、全国という広い世界を収めるに「名」は何よりも大事だろう。事実、毛利は西国を手中に入れるに留まったのだし、愚かと悪名を残すとも評価に値するのではないかと思う。 作品に関しては、大寧寺の変が一番のピークで、最後の厳島合戦までは少し盛り上がりに欠けた感じがする。戦のシーンを描くのは少し下手なのか、地図がないからなのか、いまいち入り込めなかった部分がある。個人的には死に様が好きなので、宮川房長や弘中包隆の最期も描いて欲しかった。
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