灰の男(上) 祥伝社文庫

小杉健治(著者)

• 販売会社／発売会社: 祥伝社
• 発売年月日: 2019/03/13
• JAN: 9784396345020

商品レビュー

2023/05/13

東京大空襲を巡る物語。
戦争の悲惨さ、哀しさが伝わってくる物語です。
そして、筆者の想いが伝わってきます。

登場人物が多くて、関係がどうなるの？と読み進めましたが、徐々につながっていきます！

上巻では、
噺家の新吉と学生の伊吹の物語が交互に語られます。
新吉は、戦時下の統制により、噺家をやめて、工場で働くことに。
伊吹の兄は新聞記者で終戦を願いながらも不審な動き。
伊吹自身は病で学徒出陣を逃れ、疎開先で暮らし、そこで知り合ったのが新吉の妹の道子。

運命の日3月9日深夜、B29の大編隊が下町に無差別爆撃。逃げ惑う人々。
そして、10万人もの犠牲者、死体..

と、東京大空襲の悲惨さ、そこに巻き込まれている人物たちが描かれています。

これって、民間人への無差別殺人ですよね。
広島、長崎の原爆もそうですが、民間人の無差別殺人が行われた事実は悲しい。