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詩学 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2019/03/12 |
JAN | 9784334753979 |
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商品レビュー
3.4
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「悲劇(叙事詩)はどのようなもので、どんなストーリーが素晴らしいのか、どう作ればいいのか」を説いたアリストテレスの創作論みたいな話。訳が分かりやすくて、ホメロスやギリシア悲劇全集、プラトンを読んでいたのもあって前に読んだ「心とは何か」より格段に楽な読書だった。さらに解説がものすごく充実していて至れり尽くせりといった感じ。プラトンの詩人追放論との対比や、カタルシスの解釈の解説が特にありがたかった。 「悲劇とは、真面目な行為の、それも一定の大きさを持ちながら完結した行為の模倣であり、作品の部分事に別々の種類の快く響く言葉を用いて、叙述して伝えるのではなく演じる仕方により、憐れみと恐れを通じ、そうした諸感情からのカタルシスをなし遂げるものである」という長々した定義を作り、悲劇の肝はストーリーにありとして作劇の話を中心に書いてある。ご都合主義はいけないとか、キャラクターの性格を一貫させろとか、現代でもありがちな話があって面白い。 プラトンとアリストテレスの詩に対するスタンスの違いを読んで思ったが、全てを善のイデア、理想の国家などに還元していくプラトンと違ってアリストテレスは一個一個の物事を突き詰めて考えていくのが好きなんだな。あと実践的なハウツーも重視する。師であるプラトンの理論や定義をところどころ受け継ぎつつ、全く違う世界観を提示するのはやっぱりものすごいなと思った。
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創作に関する世界最古のハウツー本。本書はアリストテレスが、古代ギリシア悲劇を定義したうえで、ホメロスやギリシア悲劇を分析して、そこから詩作においてポイントとなる要素を抽出する。特に第6章「悲劇とは、真面目の行為の、それも一定の大きさを持ちながら完結した行為の模倣であり、作品の部...
創作に関する世界最古のハウツー本。本書はアリストテレスが、古代ギリシア悲劇を定義したうえで、ホメロスやギリシア悲劇を分析して、そこから詩作においてポイントとなる要素を抽出する。特に第6章「悲劇とは、真面目の行為の、それも一定の大きさを持ちながら完結した行為の模倣であり、作品の部分ごとに別々の種類の快く響く言葉を用いて、叙述して伝えるのではなく演じる仕方により、憐れみと怖れを通じ、そうした諸感情からカタルシス(浄化)をなし遂げるものである」(p50)は、詩学に限らず、あらゆるストーリーに当てはまる普遍的な要素ではないだろうか。人間とは生まれた時代に関わらず、感情を持つ生き物であり、それを揺さぶる出来事に出くわすと、良い意味でも悪い意味でも影響を受ける。そのため、心を動かすための要素を、所々散りばめないといけない。このように、本書は人間の本質的な要素を突いたものだといえる。また解説では、プラトンとアリストテレスでは、人間の感情に対して意見の相違があることも興味深い。プラトンは喜劇や悲劇が、人間を理性で物事を捉えられないというのに対して、アリストテレスは感情によって理性を滅ぼすことはないという。
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のっけから、悲劇や喜劇を作ること(すなわち詩作)は総じて「模倣」である、とくる。模倣?訳注によれば、ストーリーの中で登場人物の行為を描くことは、言葉を駆使して行為を真似ること、すなわち模倣だと。ちなみに絵を描くのもアリストテレスにとっては模倣であるらしい。人は模倣が好きなのだと。...
のっけから、悲劇や喜劇を作ること(すなわち詩作)は総じて「模倣」である、とくる。模倣?訳注によれば、ストーリーの中で登場人物の行為を描くことは、言葉を駆使して行為を真似ること、すなわち模倣だと。ちなみに絵を描くのもアリストテレスにとっては模倣であるらしい。人は模倣が好きなのだと。言われてみればそんなものかとも思うが、現代人とはすこし違う観念を持ったひとが書いていることがよく分か そんな違う観念を持ったアリストテレスであるが、丁寧に理詰めで論じていくので、訳注の助けもあり十分に読み進められる。そのうち、その理詰めぶりがなんだかおかしくなってくる。例えば、大きすぎて視野に収められないような生き物は美しいかどうか分からないだろうなどと言い出す(よってストーリーも適切な長さにすべき)。個人的には、当たり前に思われるようなことを無理やり理詰めに語りおこす町田康の芸風を彷彿とさせられた 全体の半分くらいは訳注と解説で、時代背景や後世への影響なども丁寧に解説してある
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