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ヒトでなし 金剛界の章 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2019/02/28 |
JAN | 9784101353524 |
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ヒトでなし 金剛界の章
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商品レビュー
4.4
19件のお客様レビュー
京極先生らしく、人間とは?っていう難しいテーマを、主人公を対置させることで分かりやすく書いてた 主人公の語りには「うっ!」と思わされるところも多いけど、何故か悪い気はしない ヒトでなしなりにこの世の真理を悟ってたのがおもしろかった
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自らを「ヒトでなし」と自称する投げやりに見える男と関わって救われた(と思っている)人たちのお話 以下、公式のあらすじ -------------------------- 「死にたいん──です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。全てを...
自らを「ヒトでなし」と自称する投げやりに見える男と関わって救われた(と思っている)人たちのお話 以下、公式のあらすじ -------------------------- 「死にたいん──です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。全てを失い彷徨していた尾田慎吾は、雨の夜、自殺を図る見知らぬ女にそう告げた。同日、旧友荻野と再会する。彼は、情、欲望、執着を持たぬ慎吾を見込んで、宗教を仕事にしないかと持ちかける。謎めいた荒れ寺に集いし破綻者たち。仏も神も人間ではない。超・宗教エンタテインメント。 -------------------------- 800ページ近くある厚さで、最初に出会った女性が再び現れて物語が動き出すまで200ページ 物語の進まなさがやはり京極だよなーw 同じ内容の表現を少しずつ変えて繰り返されるのもそう 尾田慎吾が自らをヒトでなしと自覚したのは、元妻にそう罵られたから だとすると、それまでは普通に暮らしていたのか? まぁ、普通に会社勤めしてたし、上の娘共々家族に支障をきたすことなく生活してたのであればそうなのかもしれない 同じく京極夏彦の「死ねばいいのに」に近しいものを感じる あっちも聞き手はあくまで変わることなく同じスタンスで、話す方が勝手に変貌していく物語だからね まぁ、その変わり方がこっちとは方向が違うわけで 「人でなし」という言葉は、通常であればネガティブな意味でで使われる でも、人を救うという観点で言えば、神も仏も「ヒト」ではない 「人を救えるのは人ではないものだけだ」 「仏様だって神様だって人じゃねぇだろうが。人でなしだよ。大体な。ヒトの言葉なんかじゃ人は救われた気にならねぇよ」 「人が人を救うなんて、とんだ傲りだ。救ってくれるのは人じゃあない。だから神だの仏だのが要るのじゃないか。仏に救われようと思ったら仏の道をてめえで歩くしかねえのさ」 人間らしさを捨てたヒトでなしが、本人の意図しないところで人々を救っていく というか、救われたと人々が思っていくという表現の方が近いか 遺産問題で人を信じられなくなって自殺しようとした女、お金を増やすことに囚われ挙げ句に借金で首が回らなくなった旧友、キレて兄貴分を刺殺してしまったチンピラの若者、リストカットを繰り返す少女、人殺しの欲求から逃れられない坊主、そして…… 彼ら彼女らが、何故救われたと思ったのかがよくわからない 読んでいるときな納得しながら読み進めていたはずなのに、読み終わってしまえば薄らぼんやりとした「あたりまえ」の常識がゆらぐ 尾田は冷淡であるし、言っている内容の倫理的な是非はともかく、一定の筋が通っている それを繰り返す事で、悩める者たちの常識をぶっ壊すダイアローグとなっているのはわかる 死にたいやつは死ねばいいし、人を殺したやつはどうあっても人殺しで違いはない そこに人としての倫理があるかどうかの違いか? 俗世間の柵を切り捨て、あらゆるものに執着しないのが悟りであるのならば 尾田は悟っているのでしょうね 離婚をきっかけとした投げやりな態度がそこに至った道筋であるならば、頓悟であって漸悟ではない 生老病死愛別離苦 というし 愛という執着を捨てた(?)失ったからこその悟りなのかね? そもそもの名前からして、「慎吾」というのは真の悟りを意識したネーミングなのか? 途中まではともかく、愛娘を殺した犯人かもしれない相手にもそれまでと同じ態度を貫けるのは普通ではないわなぁ…… 色々とありつつも、読み終わってしまえばいつもの京極 何も残らない 続編というか、新選組の土方を主人公とした続編「ヒトごろし」があるようなので、そのうち読むかな
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
途中まではすこしテンポが遅いな…と感じてしまった部分もあるが、最後の日野・鍋谷・かくゆうの乱闘(?)シーンにおける一連の問答と、最後の「俺」の出した答えはザ・京極夏彦!というようなカタルシスを感じた。 読み終えてみると、この小説はエンタメやミステリという土俵とはそもそも違って、元人間の尾田という主人公を通じて日頃作者が感じている人の道のくだらなさとか滑稽さとか頭の悪さとかそれもひっくるめた愛おしさとかをこれでもか!と書き殴っているような感じがした。それがむしろこの小説の面白さだと思う。 この、手加減なしの、人の「俺は俺は理論」をスパスパ切りまくる様は、言うなればアントニオ猪木の強烈なビンタのような…。 そしてその書き殴りをここまでグイグイ読ませてしまうのも、まさに圧巻の筆力のなせる技
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