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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2019/02/28 |
JAN | 9784065147665 |
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
自由という名の牢獄。 不自由な世界に自由を描く行為。 輪郭がはっきりするほどに不自由さが牙を剥く。 そうするしかないという帰結に物語は向かう。 それを普遍的であると捉えるか陳腐と捉えるか。 私は前者だ。
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面白かったです。 誰が作ったのか解らない迷宮をさ迷う光の章と、螺巻きの玩具を修理しながら何時からか架空の動物たちを生み出している言海の章が描かれています。 迷宮をさ迷う光は迷宮内の開けた空間に聳え立つホテルを見付けてそこの主人となり、ホテルのポスターを見た言海は動物たちを持ってホ...
面白かったです。 誰が作ったのか解らない迷宮をさ迷う光の章と、螺巻きの玩具を修理しながら何時からか架空の動物たちを生み出している言海の章が描かれています。 迷宮をさ迷う光は迷宮内の開けた空間に聳え立つホテルを見付けてそこの主人となり、ホテルのポスターを見た言海は動物たちを持ってホテルを目指す(ここで、言海のお店も迷宮にあったのだと気付きました) 迷宮内部にホテルを作っても、留まるのがホテルになったというだけで迷宮を脱出することは出来ていなくて、従業員たちがイキイキしてるのがかえって虚無感をとても感じさせました。 老若男女、迷宮に居るようですし、でも年を取ってないようで、この迷宮はなにか寓意があるのかな? 従業員たちの名前が八大人覚という、これが出来たら涅槃に入れるというものらしくて、それではここは浄土?とか思いました。 金子さんの世界は不条理ですが、不思議と好きです。入りたくはないけど、読むのは良いです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とあるブックカフェで気になって購入、その後3時間ほどで一気に読了してしまいました。 川上弘美さんの「大きな鳥にさらわれないよう」が、未来の人類にとっての新たな神話になり得るのなら、本作は神話の主人公たる神自身の物語であるように思いました。 無限を体現したホテルで彷徨い苦しみ続ける光は、ある日その無限の中に有限の存在である小さなホテルを発見します。無限という途方も無い存在に打ちのめされていた光は、そこに夢にまで見た外の世界を模した偽りの空間を作り、無限の存在を忘れ去らせてくれる有限の世界を作ろうと考えました。彼の夢は、無限をさまよう多くの人々の心を救い、たちまちホテルは活気にあふれます。ブリキの動物を作る(作り変える)言海もホテルの客として、そして後にキャストとして、この世界に参加します。山ができ、川ができ、人々は世界は偽りであることすら忘れ、完成に少しでも近づけるべく日々進化していきます。 しかしある日、光は突如として、偽りの世界にのめり込んでいく人々の盲目さ、そしてその人々を使役する自身の白々しさ、否応なく抱いてしまうあらゆるものへの猜疑心に耐えられなくなり、世界を有限から自分だけのものに狭めようとついには自室を鏡で囲おうとします。その自身の狂気に絶望し、ついには自ら作り上げたはずの世界を去ります。 私は光が彷徨うホテルこそがこの世界の姿であると、光が抱く無限への感覚が、私の現実世界への感覚ととても似ていると、読み始めた瞬間から強く感じていました。前も後ろもない、時間もなければ空間もない、そういう漠然とした存在こそがこの世界の真実で、人々は際限のない自由という呪いから逃れるために秩序を求めハリボテの世界を盲目に信じようとする。盲目であるという事実に恐怖しながらも憧憬の念を禁じ得ないのです。 人々は世界の単なる駒に過ぎず、閉ざされた空間から出ることは叶わない哀れな存在ですが、新世界の創造主たる神もまた、世界を作りながらも自身の全能感に酔いしれることはできず、さらなる上位の存在(無限)に恐怖し、己の存在の矮小さに絶望しているのではないでしょうか。そういう人間的な神話を読んでいる気持ちになりました。
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