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フェルメール隠された次元 翼の王国books
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フェルメール隠された次元 翼の王国books

福岡伸一(著者)

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フェルメール隠された次元 翼の王国books

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 木楽舎
発売年月日 2019/02/22
JAN 9784863241374

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商品レビュー

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2022/05/16

本書は、木楽舎という聞きなれない出版社から発行されている。ネットで調べてみると、同社は例えば、SDGsマガジン「ソトコト」を発行したりしている。書籍のレーベルとして「翼の王国books」を発行しており、本書「フェルメール 隠された次元」はそのレーベルで発行されているものである。 ...

本書は、木楽舎という聞きなれない出版社から発行されている。ネットで調べてみると、同社は例えば、SDGsマガジン「ソトコト」を発行したりしている。書籍のレーベルとして「翼の王国books」を発行しており、本書「フェルメール 隠された次元」はそのレーベルで発行されているものである。 福岡伸一による、翼の王国booksでのフェルメール本は本書が2冊目である。前書は「フェルメール 光の王国」という題名で書かれたもので、全日空の機内誌である「翼の王国」に掲載されていたものを書籍化したものであった。本書にも書かれているが、福岡伸一は、フェルメールを「偏愛」している。前書の「光の王国」は、福岡伸一が「フェルメールの作品が所蔵されている美術館に赴いてフェルメールの作品を鑑賞する」というコンセプトに基づいて書かれたものだ。フェルメールの作品は37作品が確認されており、福岡伸一は、「光の王国」の中で34作品を鑑賞している。「翼の王国」を編集している全日空は航空会社なので、その機内誌は、「飛行機に乗って旅をしたくなる」という内容の記事が望まれる。「光の王国」に書かれた、福岡伸一の「フェルメール鑑賞の旅」は、まさにそのような、世界中旅をしたくなるというようなものであった。 本書「隠された次元」は、前作の続く、フェルメール本である。内容は大きく2つに分かれる。ひとつは、前書と同じく、「翼の王国」に掲載された、フェルメールを鑑賞する旅に関するエッセイ。もう一つは、フェルメールのマニアとしての福岡伸一のマニアックな論文風のエッセイ。そこでは、フェルメールの絵の中に描かれている楽譜を再現するプロジェクトや、フェルメールの絵を最新のデジタル技術を使って、リメイクするプロジェクト等が題材となっている。こちらの論文風エッセイの方は書き下ろしである。 私自身は、正直に言って、前作の方が面白かった。前書は、前書で福岡伸一の旅はいったん完結しており、本書は同じくフェルメールをテーマにしているけれども、全く別の内容の本であると考えた方が良い。 福岡伸一のマニアぶりや、上記のプロジェクトの内容は面白いものであるが、私自身の好みでは、前書の方に軍配があがる。

Posted by ブクログ

2019/03/19

「フェルメール 隠された次元」 福岡ハカセによるベストセラー「美術ミステリ」シリーズ第2弾。 生物学者である福岡伸一による美術もの。なぜ生物学者が美術を?と思っていたら、先生はフェルメールオタクらしく、フェルメール全作品を展示するフェルメールセンター銀座の監修、館長を務...

「フェルメール 隠された次元」 福岡ハカセによるベストセラー「美術ミステリ」シリーズ第2弾。 生物学者である福岡伸一による美術もの。なぜ生物学者が美術を?と思っていたら、先生はフェルメールオタクらしく、フェルメール全作品を展示するフェルメールセンター銀座の監修、館長を務めたほどの人だった。とは言え、エッセイで愛を語るならまだしも、結構しっかりした内容の美術本を出すのは何故?と言う謎が完全に瓦解する訳ではない。一体何を書くのだろうか?と興味もそそられる。 結論としてはフェルメール?なんのこっちゃ!?な人でもOKな内容になっている。生物学を専攻していた人はより楽しいはずだ。 これは第1章「フェノールへの私の偏愛」が効いている。福岡先生が何故フェルメールオタクになったのか?がメイントピックなのだが、福岡先生の本業である生物学者までの道のりと共にDNAに対する指摘(愚痴)、マップラバーvsマップヘイター、レーウェンフック、魅惑の細胞(ボルボックス等)と面白い。ここが一押しかもしれない。ここまではフェルメールは出てこない。 そして漸くフェルメールが出てきたと思ったら、ポスドク時代の厳しい日々に彩りを添えたマンハッタンの散歩がフェルメールと出会ったきっかけだって!なんとシャレオツな。フェルメールの作品数が37点→37は素数→73にしても素数でこりゃ凄い→ヒトの細胞は37兆と話を展開する辺りもおしゃれに見えてくる。 驚きなのはレーウェンフックとフェルメールは知り合いだったということ。脈絡はちゃんとあった上でレーウェンフックは登場していたのだ。二人の架空の手紙のやりとりも含めて、よく練られている。 また「読みやすさ」「文章の上手さ」は大きなストロングポイント。学者の作品は堅い表現が多く読み難い。主張次第では途中で読書放棄もある。しかし、本書にはそんなところは無い。学者の中では数少ない物書きの文章だ。 さて読み終わっても時遅し。フェルメール展東京はもう終わってしまったのだから。しかし、大阪では開催中である。近くの読者は足を運びたくなる可能性は大だ。目指せ!NYにフェルメール愛が載った福岡伸一のようなフェルメールオタク!

Posted by ブクログ