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闇夜の底で踊れ
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闇夜の底で踊れ

増島拓哉(著者)

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闇夜の底で踊れ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2019/02/26
JAN 9784087711790

闇夜の底で踊れ

¥220

商品レビュー

3.8

9件のお客様レビュー

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2021/09/07

「俺」、伊達雅樹。35歳。元は極道だったが、とある事情で同じ組の者を殺して服役した後、組にも戻れず、ふらふら暮らしている。 日雇いバイトをしては、パチンコやソープランドに注ぎ込む日々。安定はないし未来もない。とはいえ、さほど悲観もしていない。 ある時、ソープランドで出会った詩織に...

「俺」、伊達雅樹。35歳。元は極道だったが、とある事情で同じ組の者を殺して服役した後、組にも戻れず、ふらふら暮らしている。 日雇いバイトをしては、パチンコやソープランドに注ぎ込む日々。安定はないし未来もない。とはいえ、さほど悲観もしていない。 ある時、ソープランドで出会った詩織に惚れる。詩織の指名料は高かった。稼ぎ以上の金を使い、そしてパチンコもやめられないとなれば、金はあっさり底をつく。頼る先は当然のように闇金である。「俺」は、暴力団がバックについていない店を選び、ニセの身分証明書を使ってあちこちで金を借りまくる。返す当てなどない。バックレるつもりなのである。しかし、なぜか足がついた。そして現れたのは、かつての兄貴分だった山本だった。 物語は、「俺」の一人称視点と、山本を巡る三人称視点で交互に描かれる。 山本はある組の幹部だった。本をよく読み、インテリ風なところもあるが、冷酷で武闘派である。いずれは組長になろうかと目されていたが、その役には別の者が収まりそうな気配だった。同時に別の組の者とのいざこざもあり、その身辺は段々と物騒になっていく。 「俺」は、借金の返済のために、山本の使いっぱしりをするようになる。バイトといえば聞こえはよいが、要は表に出せない仕事である。詐欺の出し子、怪しいブツの運び手、美人局の脅し役など。 そんな日々の合間に、昔の思い出もよみがえる。実のところ、「俺」は兄貴分の山本を慕い、ずいぶんその影響もうけていたのだ。 だがそうこうするうち、「俺」も徐々に組の闘争に巻き込まれていく。 物語を牽引するのは、「俺」の軽薄なようで本質を突いているようでもある、饒舌な語りである。隠れた主役ともいえるのがコテコテの大阪弁で、「俺」と山本の軽妙なようなうそ寒いようなやり取りは癖になる後味がある。 タイトルの「闇夜の底で踊れ」は、山本が「俺」を評していう「暗中コサック」に通じる。もちろん、元は「暗中模索」だが、「俺」の生き方は、暗闇で困ったなと熟慮するのではなく、そんな中でもコサックダンスを踊っている無茶苦茶さがあるというのだ。わかったようなわからないような話だが、何だか言いえて妙な感じもしてくる。 ノワールなのだが、本作には実は仕掛けがある。 「俺」と山本の再会は偶然ではない。 構成の見事さも読ませどころの1つである。 暴力シーンもあり、万人にお勧めとまでは言えないが、なかなかの意欲作。 著者は執筆当時、弱冠19歳。本作で小説すばる新人賞を受賞している。

Posted by ブクログ

2021/08/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

元ヤクザの伊達。山本兄貴を殺す手配をしていた同組のヤクザを殺した。伊達はバイ。兄貴を好きだった。中学時代の不良仲間に告白して拒絶経験あり 兄貴が組長になる為にヤクザを殺した。組同士の戦争は手打ちのはずが上位の争いへ。伊達は地下に潜る。ソープ嬢の恋人詩織を殺すと脅され殺したが、 詩織は山本の女だった。最初から騙された。伊達が闇金に手を出したところから、仕組まれた。 山本と別れるない詩織を殺した。兄貴と舎弟は謝罪を求めるが拒否。2人とも殺し。山奥に駐車したキャデラックに3人の死体を遺棄。 地下に潜る。無性にパチンコがしてくなる。 昔の行きつけ点へ。途中、美人局をした女子中学生ヒカリとすれ違った。昔のパチンコ仲間と会い、大笑い。 伊達はまだ生きている。

Posted by ブクログ

2020/12/13

 これ、ホントに19歳の子が描いたの??  読み始めてすぐに吃驚。この小説ではびっくりを漢字で表記していたのでマネしてみた( ^ω^ )  読み始めると、ものすごいテンポが良く、アップテンポな描写とスピード感が木内一裕のよう。そして吃驚なのが、このジャンル。19歳が描くと言っ...

 これ、ホントに19歳の子が描いたの??  読み始めてすぐに吃驚。この小説ではびっくりを漢字で表記していたのでマネしてみた( ^ω^ )  読み始めると、ものすごいテンポが良く、アップテンポな描写とスピード感が木内一裕のよう。そして吃驚なのが、このジャンル。19歳が描くと言ったら青春ものかミステリかなと思いきや、思いっきりコテコテのヤクザもの。この情報はどこで手に入れたの?と思うくらい。  そして、会話も面白い。主人公の伊達はもちろんのこと、他のキャラも立っている。これはとんでもない19歳が現れたもんだ。  さて、この物語は元ヤクザでパチンコ狂いの伊達がソープ嬢に惚れ込み、金が必要になる。そこであらゆる闇金から偽造免許証で借金をし、そこに現れたのが元の兄貴分の山本。金を作るために山本から裏の仕事を依頼されるようになる。  ソープ嬢と恋人関係になり、山本の仕事も順調にこなしていくのだが、ある秘密を知った伊達は・・・    内容も申し分がなく、会話のテンポも良く、頭に映像がが浮かぶほどにリアル。個人的には山本がカッコ良かったな。  次回作にも期待大!!

Posted by ブクログ

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