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不便益のススメ 新しいデザインを求めて 岩波ジュニア新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2019/02/21 |
JAN | 9784005008919 |
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不便益のススメ
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商品レビュー
3.8
10件のお客様レビュー
国語の教科書に書き下ろしで載っているので、気まぐれに買ってみたが、思いがけずいい本で満足している。「不便益」の「ススメ」とあるので、不便益というデザインを推しているような印象になるが、最後のエピローグなんかを読むと、第三の価値の見つけ方とでも言ったほうがピンとくるような気がする。...
国語の教科書に書き下ろしで載っているので、気まぐれに買ってみたが、思いがけずいい本で満足している。「不便益」の「ススメ」とあるので、不便益というデザインを推しているような印象になるが、最後のエピローグなんかを読むと、第三の価値の見つけ方とでも言ったほうがピンとくるような気がする。 「便利か?不便か?」「いいか?悪いか?」。そういった二項対立で考えがちな物事に対して、いや、いいでも悪いでもない三つ目の道がある、ということを示すための道具立ての一つが、たまたま「不便益」だったのだろうと思う。そのことは、本の構成にもよく現れているようにも思う。 この本は、著者自身が一人暮らしを始めた大学生の頃の不便な生活の話にはじまって、「不便益」の話に入るまでの前置きがやたらと長い。2章の「数式化できないものにある価値」に入り、80ページ近くになって、ようやく不便益という概念が導入され、不便から得られる8つの益について説明がされる。 ここの部分が、研究の理論編とでもところだと思うが、その理論編を経て3章に入ると、ひたすら「不便益」の事例が紹介され続ける。かといって、それぞれの事例が、どれほど2章で説明された枠組みに当てはまるかどうかといった話はされない。著者が、「これって不便益だな」と思ったものが、紹介され、その「不便益っぽさ」とその価値を説明し続けるのだ。 エピローグで、ニュージーランドで不便な生活をして帰ってきたのだが、日本の便利さに逆に生きづらさを感じるようになったという人のエピソードがある。便利であることはいいことのはずなのに、どうして生きづらさを感じるのかについて、作者は、「便利が前提になっている社会は個人が不便益を得ることを許してくれないからではないか」と言う。 不便益という概念は、便利か不便かという考え方になってしまっている人たち、それによって本来は感じられるはずの楽しさを感じづらくなってしまっている人たちが、もう一つの選択肢を見つけやすくするためのコツなのだと思う。不便なものを見て、これのいいところはどこかな?と考える。便利なものを見て、これを不便にするとどんな楽しさがあるかな?と考える。そうした考え方をできるようにして、今まで見過ごしてきた些細なものの価値を再発見する。そんなヒントがつまった本だったと思う。
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○新書で「学校生活」を読む⑬ 川上浩司著『不便益のススメ 新しいデザインを求めて』(岩波ジュニア新書、2022年) ・分 野:「学校生活」×「人生を読む」 ・目 次: プロローグ 不便な生活、始めました 1.「不便益」の時代がやってきた 2.数式化できないものにある価値 ...
○新書で「学校生活」を読む⑬ 川上浩司著『不便益のススメ 新しいデザインを求めて』(岩波ジュニア新書、2022年) ・分 野:「学校生活」×「人生を読む」 ・目 次: プロローグ 不便な生活、始めました 1.「不便益」の時代がやってきた 2.数式化できないものにある価値 3.「不便益」をデザインする、形にするのは面白い! エピローグ 便利って何? おわりに ・総 評 本書は「不便だからこそ得られる益がある」=「不便益」という考え方を紹介した本です。著者は京都先端科学大学の教授で、web上で「不便益システム研究所」というサイトを運営している人物です。 現代社会では、物事が便利になることは良いことだと評価され、様々な分野で「自動化・効率化・高機能化」が目指されています。しかし、そうした“便利さ”の裏で失われているものはないか――こうした疑問から、著者が注目したのが「不便だからこそ得られる益」=「不便益」という考え方です。この本を読んで面白かったと思った点を、以下の3点にまとめます。 【POINT①】不便益とは何か?①――「引っかかり」と「つまづき」 近年はICT教育が普及し、教員はスライドや動画を見ながら話し、学生は印刷されたプリントにメモするだけでいい――そんな授業も可能になりました。しかし、こうした授業は「便利」である反面、記憶のトリガーとなる「引っかかり」や「つまづき」は得られません。例えば、先生が説明に悩んで考え込んでしまった、あるいは、板書を写す際に難しい語句の書き取りに苦労した――そうした「不便」な思いをすることで、逆に人の記憶には残りやすくなると著者は指摘しています。皆さんの記憶に残っているのは、便利な授業ですか、それとも不便な授業ですか? 【POINT②】不便益とは何か?②――「気づき」と「出会い」 最近の地図アプリは優秀で、現在地から目的地までの最短ルートをリアルタイムで案内してくれます。これはとても「便利」な機能ですが、皆さんは画面に表示される矢印に夢中になり、周りの風景などは見ていないのではないでしょうか。便利なものは「間をすっ飛ばしてくれ」ますが、同時に「その間に何があるのか」あるいは「何ができるのか」も分からなくなってしまいます。もしかすると、目的地までの道のりの中で、以前から興味のあったお店を見つけることができたかも知れません。皆さんも一度、簡単な地図を片手に「不便」な移動をしつつ、その間の「気づき」や「出会い」を楽しんでみてはどうでしょうか? 【POINT③】“経験”が“技術”になる時 料理人としての“技術”を習得することについて、著者は「今まで悩みながらやってきたことがパッとできるようになったとき、身についたと言えるのではないか」と指摘している。そのためには「さまざまな経験を通して〔技術を〕培っていく」必要があり、具体的には、つらさや楽しさの連続が“経験”として蓄積され、ある場面に出くわした時に、自分の中にある経験の「パターン」から対処できるようになる――その繰り返しを経て技術が向上していくと言います。時には“三歩進んで二歩下がる”ことも必要であり、下がることは「踏ん張ってまた一歩前進するときの力強さを生み出す」と著者は指摘しています。 本書では、さまざまな中華料理が登場しますが、その調理の様子などが臨場感あふれる形で書かれているため、とても食欲をそそられる内容になっています。また【POINT③】で触れた“経験”と“技術”の関係については、料理に限らず、勉強やスポーツにも同様のことが言えるはずです。自分の中で経験を蓄積してパターン化するためには、その都度、自分の行動について反省(振り返り)をして積み重ねていく必要があります。まさに料理の“技術”を習得することに生涯をかけた著者の半生を読むことで、学べることは非常に多いと思います。 (1446字)
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感想を書きました。 https://note.com/miyakot/n/n877e8ad659a1
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